$1<a⇒a^{n}<a^{n+1}$
1より大きなaのべき乗は指数(自然数)を大きくすれば、どこまでも大きくなります。
ほぼ同じ意味ですが、それに上限が無いことを証明します。


ベルヌーイの法則
証明
数学的帰納法を用います。
$r>-1,n=1$
$(1+r)^{1}≧1+r・1$(乗法>保存則)
$(1+r)=1+r$(同値関係)…①
数学的帰納法仮定と乗法>保存則より
$(1+r)^{n}>(1+nr)⇒(1+r)^{n}・(1+r)>(1+nr)(1+r)$…②
また、②の右辺を展開すると
$(1+nr)(1+r)$(仮定)
$1+nr+r+nr^{2}$(分配法則)
$1+r(n+1)+nr^{2}$(分配法則)
仮定より$nr^{2}>0$なので
$1+r(n+1)+nr^{2}>1+r(n+1)$(加法律)
$(1+r)^{n}・(1+r)>(1+nr)(1+r)>1+r(n+1)⇒(1+r)^{n+1}>1+(n+1)r$(推移関係)
①と合わせると数学的帰納法によりベルヌーイの法則が成り立ちます。
任意の整数 r ≥ 0 と全ての実数 x ≥ −1 に対し、次が成立する。
$\displaystyle (1+x)^{r}\geq 1+rx\!$
指数 r が偶数の場合、この不等式は全ての実数 x に対して成り立つ。
さらに厳しい条件のものとしては、任意の整数 r ≥ 2 と全ての実数 x ≥ −1 (ただし、x ≠ 0)に対し、次が成立する
$\displaystyle (1+x)^{r}>1+rx\!$
ベルヌーイの不等式は他の不等式を証明する際に重要な場面で用いられることがある。これは以下に示すように、数学的帰納法を使って証明することができる。
実数 x の正整数 n 乗は、素朴には、n 個の x を掛け合わせたものである。厳密には、次のように再帰的に定められる。
(∗)x¹:=x
(∗∗)xn+1:=xⁿ×x(n≥1).x0
を定義する場合には、関係式 (∗∗) が n = 0 でも成立するように定義を拡張するのが自然である。
上記のベルヌーイの法則を用いて冒頭の命題を証明します。
$(1+r)^{n}≧1+nr$(ベルヌーイの法則)
アルキメデスの性質より、任意のM,rに対してnr>Mを満たす自然数nが存在します。
また、前提と加法律より、$1+rn>rn$が成り立ちます。
よって
$(1+r)^{n}≧1+nr>nr>∀M∈ℝ$(アルキメデスの性質とベルヌーイの不等式)
$(1+r)^{n}>∀M$(推移関係)
冒頭の命題が証明できました。$a^{n}$には上限がありません。

対数を用いた証明
n=1の場合は上で示した通り。
以下n>1の場合。
$M=\log_{a}m$(仮定)
$n・\log_{a}a^{a}>\log_{a}m$(アルキメデスの性質)
$\log_{a}(a^{a})^{n}>\log_{a}m$(対数法則)
$a^{n}>M$(対数定義)
アルキメデスの性質が成立するなら、任意のMより大きな$a^{n}$は構成できます。
対数の方が単純ですね。対数が開発された意味をすこしだけ体感。

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