
1.股関節を内旋内転でロック
2.みぞおちを潰す(胸椎後弯)
1股関節の開閉についての記事で説明していますが、股関節の構造から、例えば骨盤が後傾すると、それに押された股関節は外転外転屈曲を起こすと推察できます。言葉としては三軸に定義されているだけで、実際にはそれらは協調して一つの動きを作るはずです。
車の運転はブレーキ、アクセル、ハンドルと3種類の技術に分割できますが、あくまでもそれは便宜上であり、それらは協調してこそ意味があります(縁起)。関節の動きも同じ。
閑話休題。一言で言えば、股関節が開くの姿勢は赤ちゃんや老人のそれになります。
従って、腸腰筋などの筋力が弱い場合は脚の骨格で体を支えられないのでアリのようにのけぞることができません。
アリやハメドは仰け反っても胸椎の後弯(骨盤の前傾)が崩れません。すなわち、彼らの仰け反りは体の強さが担保されています。
老人や赤ちゃんの股関節が開くのは、恐らくはホルモンの分泌が少ない故に所謂インナーマッスルが機能しないから。
股関節をロックするのは腸腰筋中臀筋内転筋。
股関節内旋内転でロックする力が弱い場合は、すなわち、腸腰筋内転筋中臀筋が弱い場合は、のけ反りディフェンスはできません。
さらに言及するなら、股関節ロックが弱いボクサーには、アリやメイウェザー、ハメドのような技術体系を獲得する可能性が包含されていません。
アリやハメドのようなのけ反りと凡人のそれは異なります。前者は力強さが担保されますが、後者はボクサーを脆弱にします。
この二つを同じ物として仰け反りそのものを否定することは論外ですが、股関節ロックができないボクサーののけ反りは不安定で力強さを失わせてしまうのは確かです。
2腸腰筋が強く、股関節が強くロックされる場合は、のけ反り動作で脊椎が圧縮されるので身体重心が股関節の近くへ収められ、見た目ほどバランスを失いません。
ハメドやアリが良い例です。のけ反りながら破壊的なパンチを打ちます。
こののけ反りの解釈は所謂柔軟体操への示唆を与えてくれます。
武道やスポーツの現場で言われる柔軟体操の価値への疑問が頭をもたげてきます。
例えばハイキック。
上述したようなのけけ反りの延長線上にそれはあるはずで、すなわち、股関節の”柔らかさではなく硬さが”それを導くと考えられるからです。
柔軟体操は武道家や格闘家をむしろ脆弱にしているのでは、という推理です。
ブアカーオのハイキックは開脚していない。むしろ、脚を強く閉じている。上述の論理で仰け反ってその打点を稼いでいるように見える。

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