大腰筋パンチ
カネロのカウンターが下の図ようになっているのは、大腰筋が強く収縮するからだと考えられます。同じような動作を習得する為には大腰筋を鍛える必要があります。本質からそれてしまえば、形は似ていても非なるものです。
大腰筋が収縮しないとバランスが悪いだけになります。
大腰筋が強く収縮する場合は下の図のように骨盤は左大腿骨にぶら下がる形で斜め回転をします。
また、上のカネロの動作を抽象した場合は、下に載せたメイウェザーやアリのプルカウンターやムガビのショルダーロールカウンター、スリップカウンターと同じ動作であることが分かると思います。
沿う感じられないなら、あなたの何かはズレています。
カウンターで前のめりに潜り込むのは、重心が前方へ抜け、骨で床を強く踏めなくなるので非合理です。
ただし、咄嗟に動かなければならない実戦においては、それは普通に起こることではあるし、またベルトラインへ隠れるディフェンスもあるが、カウンターであえてそうすべきではない。
強く殴るならカネロのような動作が自然です。
前のめりに避けるような技術論は、僕には不自然な動作に見えます。
言うなれば、バレエや歌舞伎のような大げささです。恐らくは発生源が同じと考えられます。
形にこだわる文化
形にこだわる文化は、平和が長く続いた江戸時代に道場の経営者が苦肉の策として生み出したものだと僕は仮説しています。つまり、食っていくために殺し合いの技術をダンスへ変形させたわけです。
剣を用いた殺し合いを経験したことのない経営者が、親から受け継いだ道場を存続させるには、「戦い」の価値観とは異なるものを創造する必要があります。
それは生徒を足繁く道場へ通わせて、金を落させるものでなければなりません。
戦いにおいては動作の見栄えなどはどうでも良いはずです。戦場で殺し合いを行う武士ならばそのような形を押し付けてくる道場は「バカバカしい」と見向きもしません。戦場はそんなことをしている間に殺すか、あるいは殺される場所です。
しかし、本当の戦いを経験したことがないなら、その意味も価値も分かりません。権威に「戦いとはこのようなものだ」と言われてもその真偽を判断ができません。
「そうなのか!師範さすがです!」
となるでしょう。
商売をすることに憧れるワナビーがビジネス系YouTuberの言葉を実践して、溜飲を下げるようなこと。
本当にやる気のある奴はYouTubeなんか見ませんし、うまくいくかどうかなんて気にせずに始めています。つまり、それはワナビーからむしる為の免罪符ビジネスです。そにはワナビーを知らない善意の人もいるでしのうが、ワナビーからむしる決意をした悪意の詐欺師もいます。
《want to be(…になりたい)の略から》有名人や人気者などに強くあこがれ、それになりたがる人。 多く、あこがれてまねをするが、実質が伴わない人のことをいう。
ビジネス系「成功したいのか?なら毎日積み上げろ。その為にこれ買え。」
ワナビー「積み上げ!積み上げ!積み上げ!ああああ!成功に近づいている!」
本気の奴「とりあえず税務署来た」
師範「殺し合いとはかくかくしかじか。毎日道場に通い形を整えなけらばならない。」
ワナビー「なるほど!それをする俺は殺し合いができる男だ!俺は強い!」
本気の奴「頼もー!誰か俺と死合をしてくれ!」
基本的には動的なボクシングを静的に認識した結果と考えられます。
すなわち、「パンチは腰を回す」「踵は上げる」という類の指導が発生してくるのと同様の論理です。
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