フェルナンド・モンティエルの後ろ歩き

技術選手分析

石田会長からモンティエルを勉強すると良いと言われたので、その感想を共有します。

フェルナンド・モンティエルの後ろ歩き

まずはフットワーク。

ボクサーて、ピヨンピョンしているようで、実はピョンピョンしてないよねって話はこのブログでは再三取り上げてきました。

例えば子供にフットワークを教えるなら、「歩く」か「滑る」が表現としては正しいのではないかと僕は考えています。

厳密には股関節の開閉で、腸腰筋内転筋中臀筋を介して力を床へ伝える動き、すなわち頸骨で床を踏む動きだよねと。

この結論はスポーツ全般に一般化できると思います。

モンティエルのような、つまり歩くようなフットワークは、片足が常に床と接するので咄嗟の場面でも素早く力強く動けます。

ジャンプはダメ、と断言はしませんが、自然体であれば歩くような動きになると感じますし、僕が一流を観察した結果もそうだと感じます。

ちなみにメイウェザーはバックジャンプで大きく逃げます。

フットワーク、ハンドスピードを高めるドリル
Music provided by NoCopyrightSounds.Watch: Download / Stream: 【長濱陸とは】ーー...

次はカウンター。

歩き打ち

フェルナンド・モンティエルの歩き打ち

歩きながらパンチを打っています。

既述のように、歩くことで片足が常に床と接し、腕の筋肉の収縮力を瞬時に床で反発させ腕の推進力に変換できます。

接地の時に膝が曲がっているなど、脚や脊椎の構造が床反力を緩衝する形になってしまうと動きがもたつきます。

その場合はモンティエルのような、淀みのない滑らかな歩き打ちはできません。

モンティエルのような歩き打ちは前提として股関節の自然体のロックが要求されると考えられます。

自然体

モンティエルは既述の動きの一々を練習どころか意識すらしていないと僕は予想します。

なんとなくやっていることだろうと。すなわち、モンティエルの”自然体”がこれを必然として導いてきたのだろうと推理します。

これはダメ、あればダメ、こうあるべきと、自らで自らの可能性を制約してしまうことが、不毛さと不自然さを導いてくるのだと、僕は僕自身自身の経験から知っています。

ボクシングに限らず、理由は説明できないが、どうしようもないほどにそれが好き、どうしてもそれをやってしまう、暇があればそれについて考えてしまう、という性質は個人に与えられた役割≒個性だと考えます。

誰かを好きになる時に理由なんてないようなこと。「単に好きだ」と直感するだけで説明はできません。

それは恐らく、遺伝子がその生存を有利にする遺伝的な形質を見極められるからだと考えています。これが審美眼です。

僕は、誰になんと言われようがこの審美眼は守るべきだも思いますし、また他人のそれを侵害してもいけないと思います。

人それぞれが個々に持っているはずの「美しい」と感じる説明不能な感情。それに意味があるからこそ、あなたの先祖は自然界の過酷な競争を勝ち抜いて生き残ってきたはずです。

猛獣に襲われた時、咄嗟にもろい木の枝を選ぶのか鋭利な石を選べるのかで生存確率は異なります。猛獣相手にハッタリを利かせて逃げることで生き残ってきた遺伝子もいるでしょう。

誰一人として見向きもしない対象を、ひたすらに追求して生き残ってきた遺伝子もあるでしょう。

僕はこの、何となくやってしまうこと、何故だか美しく感じてしまう対象こそが、先祖が見いだした遺伝的な生存戦略の勝ち筋だったのではないか、と感じています。あなたが「美しい」と感じる何かには、他人には意味がなくとも、あなたにとっては大きな意味があるのです。

また、フォアマンの生い立ちがそうであったように、子供や若者の個性を社会にとっての有益な道へ導くことは”大人に”与えられた仕事の一つです。

ただの乱暴者の犯罪者を偉大なチャンピオンに導いてあげられるの大人だけです。

もしも、それを押さえつけて子供の可能性を奪うのなら、体は大きくとも子供です。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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