戦略と計画と勝ちのフィードバックループ

戦略

大阪滞在中はボクシングを含め人生を豊かにしようと不確実性や偶然、計画に関する本を数冊併読しています。過去の本も復習しながら、少し高度な本にも挑戦。計画や不確実性の最先端の考え方を一部でも理解できると、自らの計画による自縄自縛(強迫観念)から開放されるので、心を軽くできます。

ところで人類の学問は最終的には論理学や数学で記述されるので、数学を学んでいると「難しい」「難しそうそう」のハードルが一気に下がります。
恐ろしくて読めなかった本への挑戦が容易になりました。まあ、行けるでしょって感じで。数学を学ぶメリットは大きいと感じます。
まさにフィードバックループです。

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未来と計画

不確実性、偶然、計画に関する本の内容はどれも似たようなこと。それは最近僕がブログで発信している「型にハマるな」「対応せよ」といったこととも近いと感じます。

ある出来事が起こる確率は予測できる

年間の交通事故は統計の確率分布で説明できますが、あなたが明日事故に合うかどうかは知ることができません。
僕が読んでいる本の中に未来の予測が可であるとするものはありません。不可だと断言されています。仮に世界最高のスーパーコンピューターを用いても分子の数秒先の運動を数時間をかけて予測できる程度で、無数のそれらが複雑に絡み合ったマクロの現実の予測は現時点ではできるはずがないのだと。
未来の途方もない複雑さは「バタフライエフェクト」として例えられたりしますね。

【バタフライ効果(バタフライこうか、英: butterfly effect)】

力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象

バタフライエフェクト

そもそも当たり前に「未来」はあるとされ、その「予測」はできると人は無自覚に考えていますが、その前提に誤りはないのか?ということを考える必要があります。

結論を言えば、人の予測が当たることはほとんどありません。生存者バイアスによって未来の予測が可能であると錯覚していてしまっているだけです。
要するにまぐれだってことですね。

生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなることである。

Wikipedia

予測できるのは統計学的な確率分布の形に収束するということだけ。

間近の勝ち負けの統計を比べるとどちらが勝つ確率的に予測できる場合がありますね。それは統計的な分布を無意識に導き出しているから。

サイコロを振って出る目は予測できません。が、1が出る確率は予測できますね。1/6です。

結局は対応力

僕たちにできることは未来が予測できるという錯覚を捨て、出た目に対応すること。そして偶然を殺さず活かすことです。

「計画性は大切だ」と教えられ、僕はそう考えてきたのですが、結局のところ計画はあってないようなものなのです。
相手の能力を分析し大まかな予測を立てるための計画は有益だとは思います。場当たり的な行動では効果の蓄積と検証ができませんので。
しかし一方で計画通りには行かないことを前提とする必要があります。

またこれが見落としがちな重要事項だと感じることですが、手段が目的化した場合、偶然を取りこぼしてしまうこと。
相手の出す弱気のシグナル、チャンスを見逃してしまう確率を上げます。
計画が緻密であればあるほど、その傾向は高くなります。

競技力向上計画も同様です。遊びのない完璧な計画であるほど、偶然の発見から閉ざされてしまいますから、一見すると無駄のない完璧な計画ほど無駄になってしまいます。

まとめると「柔軟な発想と迅速な対応が勝負では大切なんだぜ」が結論です。

ただそんな風に言われても僕は不安になります。
状況への対応力が戦略上重要なのは理解できます。論理的な帰結です。しかし人生は有限。選手寿命に関してはもっと短いですから、無限の手札を用意することはできません。

というわけで本を読んでの戦略を立てる際の土台を考えてみました。

フィードバックループ

株価の暴騰や暴落は偶然により、売りが売り(買いが買い)を呼ぶフィードバックループが引き起こされた瞬間に起こります。
僕の経験上、ボクシングや人生も同じで、フィードバックループに乗った時に強力な推進力が生まれます。

戦いや人生で何を起点としたときに自身の戦略の強力なフィードバックループが起こるのか。それを見極めて強化する。

どうすればれば敵をそれに引きずり込めるのか。一方で敵の負のフィードバックループを起こすものは何か?

スキルセットのフィードバックループ

長濱拳法では技術体系をスキルセット、技単体の練度をスキルという概念で区別して、独自の戦略的ポジショニングを目指すことを提案しています。詳しくはリンクから。

勝つための戦略とは、あなたの正のフィードバックループを起動するスキルを核に据えた計画を立てること。そこから逃れようとする相手を蟻地獄のように捉えつづけるシステム構築することです。

敵を無力化する為には敵のフィードバックループの核となる何かを探し出して潰すこと目指します。

現時点での戦略の長濱説はこんな感じで。
どんな風に自分と敵を分析するのか?に関しては今は直感です。客観的にやるには統計などの知識が必要になる思いますので、時間がある時に勉強して共有します。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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