僕、これまで”デ”ノデーシスアクションと思っていたんですが”テ”ノデーシスアクションと呼ぶみたいです。
以下の記事で肘がロックされ腕が軽くなる力学的な理由について考えましたが、今回はもう少し深めてどの筋肉が関与してるのか見ていきます。
ゲンコツの形にした場合に関与しているのは長母指屈筋だと思います。
前腕の真ん中あたりが起始、親指の先が停止。
収縮すると手首を回転させ親指を前腕へ近づけます。
拳をゲンコツにした時に前腕の中心辺りが引っ張られる感覚の説明になります。
これは腕の模式図です。
右端にある●は手。
それをゲンコツの形にすると薄い青の矢印のような回転力を生みます。
すると長母指屈筋が伸張され前腕がオレンジの矢印の方向へ引っ張られ、前腕に時計回りの回転力(薄い青矢印)を生み出します。
上腕骨の末端である肘にはテコで力が加えられ、それは上腕骨を肩甲骨へ押さえつける力になります。
これが拳をゲンコツの形にすると肩甲骨が押される感覚の説明です。
長母指屈筋が前腕骨を上腕骨へ押さえつけ肘関節の伸展を抑制します。
これが肘がロックされる作用の一つ目。
次は肘がロックされた時の重力の作用を見ていきます。
重力は黄色い矢印。
肘がロックされて動かないので重力は肩関節へ働きます。
濃い青矢印の力は肩関節を薄い青矢印の方向へ回転させます。
要するに、重力が腕を後方へ押すような力に変換されるってですね。
この重力の作用を覚えてください。
これは上腕二頭筋です。
起始と停止が肩関節と肘関節をまたぐ二関節筋です。
上記の重力による腕の回転力が加わった場合、どのようになるか想像してみてください。
腕を後方へ押すと、前腕と肩関節にまたがる上腕二頭筋が伸張されるはずです。
矢印が多くて分かりにくいのですが。
オレンジ矢印は重力による腕の回転力を表し、薄い青矢印はそれが肩関節を回転させることを表しています。
そして、その肩関節の回転力が生み出すのは濃い青矢印、上腕二頭筋にかかる張力です。
腕を後ろへ押す重力は肘関節を屈曲させようとする力となり、前腕が上腕へ引き寄せられることを示しています。
これが拳をゲンコツにして腕をスイングした時に起こる肘のロックの長濱説です。
名付けて「ゲンコツロック」。
前腕の回転力が肩甲骨を持ち上げ、背中の筋肉の緊張が緩和されるため肩甲骨の可動性が高まるはず。
ゲンコツロックによって高まった肩甲骨の可動性がパンチ力を強化する説明へも繋がっていきます。
続く。
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