ポーターとクロフォードのコミュニケーションに刮目せよ!!!

メンタル
メンタル選手分析

クロフォードの試合の試合を通して見返していると強く感じました。
彼はコミュ力高いです。
コミュニケーションによる主導権争い、心理戦が超上手い。

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ボクシングはコミュニケーションだ!

vsエギディユス・エギディウス・カバラウスカス

この試合のクロフォードのジェスチャーが凄い。
不敵に笑ったり、パンチを受けた後に首を振って相手の攻撃を否定したり、相手の渾身の攻撃に”come on”の手ぶりをして強気な挑発をしたり。
色んなことやっているのでとても参考になります。

表情からも「おい、どうした?そんなもんか?」って意思が伝わってきます。

この試合はポーターもコミュニケーションが上手いので主導権争いが拮抗しています。
お互いに手口が違いますが、一流に相応しい威圧のジェスチャーで主導権を奪おうとしています。
ただ6ラウンドくらいからクロフォードがペース上げましたね。
多分、ポーターが見せた弱さを見逃さなかったんじゃないかと思います。
クロフォードのヤバさはこの辺りの勝負勘ですよね。相手の隙や弱さを見逃さないだけの集中力とそこに付け入っていくだけの度胸があります。

殴り合いはコミュニケーションだ!

相手を乱す策略家クロフォード

クロフォードは色んな方法で相手を乱します。

相手の様子を窺う時の顔。

「やれるものなら、お好きにどうぞ」と言わんばかりの表情。

この顔が作れるだけで強気な心が呼び起こされます。

どうしてもスクショがピンボケしちゃうんですけどね。

クロフォードがニヤニヤしているのが分かります。

多分、声に出して笑ってますよ。嫌な奴。

後述しますが、楽しいから笑顔になるんじゃありません。
笑うから楽しくなるんです。
情動反応って言います。

凝視です。

睨みと思いが自動システムによる自動制御プログラムを起動し、素早く力強い動作を起こします。

クロフォードはもちろん相手を凝視しています。ポーターもです。
きっと強烈な殺意も抱いていると思います。
ポーターは殺意というよりは鋼鉄の「勝つ」という決意ですかね。そういうジェスチャーしてます。

動じない鉄の意思ポーター

ポーターの鬼の形相。

「絶対に勝つ」って強い意志が伝わってきます。

この表情の人に「どいて?」って言われたらどうします?
「どうぞ…」て本能が道を譲ってしまいますよね。
もしも彼の意思を否定したら…ただじゃ済まないことは直観します。

表情とジェスチャーが鋼の心身を作る

生理反応を支配する

簡単に一度メンタルトレーニングに関する記事の中でも話していますが、人間の感情や思考は生理反応の後に起こります。
つまり表情が強気な心と思考を作ります
強気だから表情が強気になるんじゃありません。面白いことに因果関係が逆なんです。そしてこれは証明されている事実です。

詳細は違うかもしれませんが、大体こんな感じです。
「大きな犬を見る→反射的に瞳孔が開き脈拍と血圧が上昇→内分泌系が反応→潜在意識(本能)が警戒心を煽る→過去の情報へアクセス→その時の経験を元に結果を予測→感情を用意→感情を元に思考→行動」
思考が行動に先行し感情が思考に先行、表情や目、内臓の動きがさらそれに先行します。
因果関係を追っていくと根本にあるのは意識的にコントロールしにくい内臓の動きに行き着きます。
しかしコントロールできる部分もある。それは眼球の動きだったり呼吸だったりです。

闘争・逃走反応

人間は危機に直面した時には闘争・逃走反応が起こります。
「尻尾巻いて逃げる」か「命がけで戦うか」の二択。

僕は闘争本能を呼び覚ますのは「睨み」と「思い」だと考えています。
「闘争」するなら闘う相手以外には興味がありませんので、当然凝視します。
「逃走」するなら相手よりも逃げ道を探すために視線があっちへいったりこっちへ行ったり飛び飛びになります。

敵に遭遇して目が泳ぎそうになったら我慢して相手を凝視してください。
そのためには殺意です。
それが「闘争」に必要な情動反応を呼び覚まします。
内分泌系が痛みや疲れなどのマイナスな感情を排除し、闘いに没頭することで自動システムが起動されます。殺意をもって相手を見据える。
後は勝手に自動システムが問題を解決してくれます。

睨みと思いの長濱説

ここから目がどうして大切なのかの長濱仮説です。
瞳孔が開くと目の血圧が上がるので、それが目の奥にある視床下部を刺激して結果的にアドレナリンなどを分泌する内分泌系が活性化(視床下部の主な仕事)するんだとなんとなく考えています。
また、脳は目の動きも監視してます。
なので目が泳ぐと恐らく逃走に必要な情動反応が引き起こされるんじゃないかってことですね。
キョロキョロすると頭の中が慌ただしくなる感じ、分かりますかね。
頭の中の会話が増えるというか。
一点を見据えるとそれが減ります。

殺意って表現が正しいのか分かりませんが、僕は相手を痛めつけようとか屈服させてやろうと思うと目の奥が重くなり、この感情が沸き上がってきます。
物凄く激しい感情なんだけど、その奥は静まり返っていて、しかも超前向きな感情です。
この感情の正体は今のところよく分からないんですけどね。
寝る時の感じに似ているなっては思います。

ポーターもクロフォードも半端じゃない集中力で目の前で起こることに没頭していますが、これはとても激しい感情と睨みが良い感じで配合された時の情動反応が引き起こす闘争反応だと考えています。
ホルモンが大量に分泌されて、疲れや痛み、恐怖はおろかダメージすら感じない肉体の限界まで戦えるような戦闘状態。

動物が狩りをする時もそんな感じだと思います。
ポーターもクロフォードも動物みたいな反応速度と耐久力がありますが、睨みと思いで内分泌系を刺激しているんだと思います。

情動反応

精神性はアスリートじゃなくてチンピラ。
超強気な選手じゃないとクロフォードのジェスチャーに飲み込まれると思います。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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