- 収束定義
- $(∀ε>0)(∃N∈N)(∀n∈ℕ)[n>N⟹|x_{n}−x|<ε]$
- ウィキペディア
- 絶対値
基本的な性質として、任意の実数 a, b について - 非負性: |a| ≥ 0.
- 非退化性: a = 0 のとき、且つそのときに限って、|a| = 0.
- 偶性: |−a| = |a|.
- 劣加法性: |a + b| ≤ |a| + |b|.
- などが成立する。
- これは距離函数が満たす性質と対応する(後述)。
- ウィキペディア
収束の意訳…任意の小さなεを選んだとしても、適当なNを選べば、全てのn>Nにおいて、$|x_{n}−α|<ε$が成り立つなら、数列$x_{n}$はαに「収束する」と言う。
極限が二点に収束することはないのか?という初歩的な疑問を解決します。
証明
$x_{n}$がαとβに収束すると仮定して矛盾を導きます。
$\displaystyle \lim_{ n \to \infty }x_{n}=α$…①
$\displaystyle \lim_{ n \to \infty }x_{n}=β$…②
三分律よりα,βには大小関係が定まります。仮定よりα≠βなので、α>βと仮定できます。
準備
$(|α-x_{n}|<ε)∧(|β-x_{n}|<ε)$(①②)
⇒$|α-x_{n}|+|β-x_{n}|<2ε$(加法法則)…③

加法律引用WIIS
本番
$|α-x_{n}|+|β-x_{n}|<2ε$(③)
$=|α-x_{n}|+|x_{n}-β|<2ε$(絶対値偶性)
$=2ε>|α-x_{n}|+|x_{n}-β|≧|α-x_{n}+x_{n}-β|$(絶対値劣加法性)
$2ε>|α-x_{n}|+|x_{n}-β|≧|α-β|$(加法逆元)…④
推移律より任意のεに対して
$2ε>|α-β|$
が成立する、すなわち、αとβの差をどこまでも小さくできます。
仮定よりα>βなので、絶対値を外して
α-β=0(③)④
α=β(加法逆元)
αとβは同値になりました。
前提であるα≠βと矛盾します。
背理法より極限が一意に収束すると言えました。

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