
骨盤の前傾
腸腰筋や内転筋の付着の仕方から、それらが太い場合は骨盤が前傾し大腿骨が内側へ巻き込まれると推察できます。
構造的に、起点となるのは腸腰筋。
腸腰筋が強い⇒内転筋が強い
主にはこの連鎖反応が起こっていると考えられる。
この場合は上半身の重みに押されて骨盤はさらに強く前傾し、脊椎はS字に湾曲します。
上記のように骨格全体は弓なりにしなる。強い人の骨格はやや仰け反る。
腸腰筋と内転筋の張力は下のような回転力へ変換されます。
その力を強調した場合は下の図の真ん中のような形になります。
構えた場合は必然的に棒立ちになります。
膝が曲がる理由は以上の論理を逆回転させて説明できます。
腸腰筋、内転筋が弱い場合は上に示したのと逆の回転力が骨盤へ加えられます。
骨盤後傾→股関節外転外旋
です。
下に示した赤ちゃんないしは老人のような姿勢。
周りに白人、黒人がいないと分からないのかも知れませんが、彼らと比較すると日本人は若いのに膝が曲がっています。それを強調すると老人のような姿勢です。
ロマゴンやカネロ、メイウェザーのように、脚をバシッと伸ばして骨盤を挟み込むように立てる日本人は殆と見たことがありません。
脚を伸ばしてカネロのように構えられますか?高い確率であなたにはそれができないと思います。脚が外側へ広がりながら曲がっているはず。
ピョンピョン
カネロやロマゴンのように脚が伸びた場合は股関節を伸展させるハムケツが伸張され、かつ膝関節を伸展させる大腿四頭筋が緩められます、すなわち、股関節優位の運動が行われます。
膝が曲がる場合はそれと逆の作用が起こります。ハムケツの筋力が失われて大腿四頭筋の筋力が高められます。
ハムケツの収縮は体を前へ、大腿四頭筋の収縮は体を後ろへ押します。
骨盤の前傾した骨格と後傾した骨格とでは、その運動に根本的な差があります。
みなみにあえて膝関節の作用を強調する為に極論を用いていますが、バックステップも股関節です。すなわち、骨盤の後傾は運動の役に立ちません。地べたに長時間座る農作業には向いているかも。
以上から、腸腰筋の太さは競技力の説明変数として大きな役割を果たしていると結論でき、かつ、それはカネロやメイウェザー、ロマゴンの成績と姿勢の関係を整合的に説明してくれます。
ロマゴンやカネロのように立てない場合は股関節は非活性化され、膝関節が活性化されます。すなわち、この場合はピョンピョンと飛び跳ねるようなフットワークになります。
股関節の開閉で動ける場合は下のようになります。




コメント