オンラインで指導が行えるのかの試みの一部を共有します。
膝は曲けない
あなたが膝が曲がった姿勢である場合(大半はそう)、踏み込みで発生した全身の運動量の腕への伝達の効率が落ちるのでパンチ力が劣化します。

下のゴロフキンのように脚を伸ばして骨格で体の勢いを静止できる場合は、上のシミュレーションで示したような運動量の伝達の効率が上がるのでパンチ力が増します。
膝が内側へ巻き込まれているので構造的に曲がりません。かつ、脚の骨格が骨盤を向いています。
加えてこの姿勢は接地の反力が大殿筋を伸張します。
すなわち、大臀筋と中臀筋の強いSSCが起こります。
以上の説明に従って、脚の骨格を伝う床反力とそれに伴う大臀筋と中臀筋のSSCは一気に全身の勢いを制止し、ブレーキ効果によってその運動量を腕へ伝達します。つまり、パンチの勢いが増します。
これと対照的なのが下に示したような姿勢です。
構造的に膝が回転して体幹の動量の腕への移動を妨げます。
原因として考えられるのは、腸腰筋などの股関節周りの筋肉の弱さ。
以下に示したように、アスリートの姿勢が一つの形に収斂していくのは、人体の制約下においてはこの形が最も合理的だから。
様々な形の中から以下の形だけが競争を経て選別されたと考えられます。

股関節ロック
以上に表示した各競技の一流の股関節は内側へ巻き込まれて(閉じられて)いるのが分かると思います。
閉じるとは屈曲(骨盤前傾)内旋内転筋が同時に起こることです。

股関節の開閉

股関節内転
上のゴロフキンは脚が内側にねじられ(内旋)、かつ内側へ両側から押す力が加えられているのが分かると思います。




大腿骨が両側から内側へ押され、かつ内側へねじ込まれた姿勢は、極端には下の画像の中央の骨格です。
女性にこの形が多いのは、内転筋が強いよりはむしろ中臀筋と大臀筋が弱いことが原因と考えられます。
白人黒人もこの形は典型です。彼らは統計的に日本人より腸腰筋と内転筋が強い。
ケツの力が弱い女性の内股はニーインと言って怪我の確率を高めるので危険ですが、逆にケツだけ強いとおっさんのようなガニ股になります。どちらも運動には向きません。
バランスよく鍛える必要がありますが、大多数の男性は内転筋を鍛えると連鎖的にケツも強けなると思います。
所謂攻防一体やサークリングなどなど、股関節ロックを起点にボクシング技術を語ることができてしまいます。
すなわち、股関節ロックがボクシング技術体系の入り口であると考えることができます。
井上尚弥やタイソンなどの爆発的、かつ斜めへの踏み込みは股関節が強くロックされるから起こる必然と考えられます。
クロフォードのような踏み込んだ後の素早いカウンターも、股関節がロックされ強い床反力を受けられるからと解釈できます。
反復云々は股関節を強くロックできるようになった後の話。
膝が曲がるならスモウデッドリフトとかいいかも。
股関節がロックされた姿勢は、見た目は下のカネロや井上尚弥のように両腿の隙間が小さくなります。





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