アルキメデスの性質
順序群Gにおける正の元x, y について、xがyに対して無限小である(あるいは、yがxに対して無限大である)とは、任意の自然数 n について nx がyより小さいこと、つまり以下の不等式が成立することである。
- x+⋯+x⏟n<y.
順序群Gにおける正の元の対x, yで、xがyに対して無限小になっているようなものは存在しないときGはアルキメデス的であると言われる。
アルキメデスの性質
ウィキペディアは、「とても小さなxであっても、それを任意のn回足し合わせれば大きな数yを上回ることができる」ことの要請です。
これは定義?定理のように感じる。
確かめます。
∃supℕ∈ℝ,∀n∈ℕ:n≤supℕ(仮定)
supℕ-1<supℕは実数加法律より成り立つことが保証されます。また、自然数は帰納的集合の共通部分なので、常にa∈ℕ⇒a+1∈ℕとなります。
従って
supℕ-1<supℕ(仮定)
supℕ<supℕ+1(加法律)
supℕが自然数の上限であるならば、それより大きなsupℕ+1が自然数であることは上限の定義に矛盾します。
すなわち背理法により
supℕ∉ℕ
が導かれます。
自然数には上限は存在しません。どこまでも大きくしていけます。
冒頭のウィキペディアのアルキメデスの性質は「任意の小さなxをn回足せば任意の大きな数yを上回ることの要請。」は、自然数の性言の言い換えと言えます。

帰納的集合引用WIIS

加法律引用WIIS
また、ウィキペディアのアルキメデスの性質は自然数に上限がないことと同時にもう一つ要請があります。
それは実数の体系の中に「無限大」と「無限小」が存在しないこと。無限小はいくら足しても大きくなりません。
∀x∈ℝ:x<supℝ(仮定)
supℝ+0<supℝ+x(加法律)
⊥
supℝ∉ℝ①
上限が存在すると仮定すると矛盾します。下限も同様に⊥を導けます。実数の増加を押さえつける無限小や無限大はありせん。
自然数にも上限はありません。
従って、任意の大きなyであっても、それよりも大きなnxはいくらでも作れます。無限小も同様。
x<y⇒y⁻¹<x⁻¹(乗法逆元の性質)
実数には上限(下限)はありません。無限小(無限大)に押さえつけられてしまうことはなく、どこまでも小さく(大きく)できます。




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