これから何度かに分けて、井上尚弥の技術を発生させている前提を明らかにすることを試みます。
まずは股関節ロックから。下のパラエストラ天満長濱クラスの動画を見てください。力の循環について説明しています。
視覚的に理解しやすいように大袈裟に表現しています。


股関節ロック
筋腱の弾性
筋肉は腱の弾性とミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの性質により、引き伸ばされると縮もうとする力が高まります。
大臀筋の構造
大臀筋はその構造から股関節の外転と外旋、伸展を行う筋肉だと推察でき、その逆を行う力を作用させることで伸張されます。すなわち内転内旋でその筋力は高まります。
人体の推進力
体を推進するのは主にハムストリングと大臀筋です。
ブレーキ効果
猛スピードで前進する車に急ブレーキをかけると、車の推進力とブレーキの力は合成され、車のケツを浮かせます(偶力)。これを僕は「ブレーキ効果」と定義しています。
ボクシングなら、踏み込む力はブレーキの力と合成されて拳の推進力へ変換されます。
股関節を内旋内転でロックし脛骨で床を踏んだ場合は、床反力が効率よく骨格を伝達するため、肩には強いブレーキがかけられ拳は急加速を起こします。

股関節内旋内転

以上が股関節ロックが力を循環させることの論理的な説明です。
以上を所与とするならパラエストラ天満で見せたようなフットワークが合理的と考えます。
1股関節ロック→2右脚の脛骨で床を押して推進→3左脚の脛骨で床を踏んでブレーキ→4ブレーキの力を大臀筋の弾性エネルギーへ変換→5,4エネルギーで切り返す(左フック)。

胸椎側屈回旋
次に胸椎の動き。ちなみに腰椎は可動性が殆どありません。なので、腰椎を意識すると怪我の確率を高めます。意識するとすれば”胸椎”ですので気を付けてください。
腸腰筋が付着するのは胸椎。
下は胸椎の側屈の模式図。上半身の重さが大腿骨へ押さえつけられ体のバランスが保たれます。上半身が強く床を踏む、かつ姿勢反射が抑制されるので強く腕をスイングできます。
下はさらに胸椎の側屈を簡略化したもの。股関節ラインに重心が乗ります。
下は大腰筋が弱いボクサーが井上尚弥のカウンターを形だけ真似したのを模式化したもの。
重心が体の外へ出てしまうので強く床を踏めません。かつバランスの崩れが姿勢反射を誘発します。

チェックフック
左フックのカウンターはチェックフックなどと呼ばれます。ドネアやメイウェザーも多少の差はあれど、このパンチを多用します。


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