パンチの局面
パンチを分解し単純化すると、下の局面に分類できます。
もっと詳しくやるなら脚の形なども含まれてしまい、話が終わらなくなるので、ここでは腕の動きに限定します。
また、あくまでも僕の視点です。
1.腕の落下
2.スイング
腕の落下
1から。
この時にびろ~んと肘が伸び切ってしまうボクサーは多いです。

肘は直角

肘は直角
肘は直角にロックされながら落下します。
そうならない場合は、肩甲骨ロックと背屈ロックが弱いと考えられます。
肘がロックされない根本的な原因は、肩甲骨の外転が弱い故に、上のGGGのような、上腕の内旋が起こならないことにあると考えられます。
胸板が薄くペタッとした骨格をしている場合は肘はロックされ辛くなります。
前鋸筋と小胸筋が弱い場合は構造的に上腕が外旋しますから、筋力発揮前の筋弛緩(サイレントピリオド)で腕が外旋のまま落下します。すなわち前腕の動きが関節の構造で抑制されれないので、肘が伸びるような腕の落下が起こります。
※手のひらを上にするのと手の甲を上にするのとでは重力が肘へ加える力が異なるから
上のGGGの腕は内旋されています。従って腕の落下には抑制がかかり、肘は90度を保ったまま落下し強力なでSSCが起こります。
肘が伸びる場合は落下のエネルギーを肩と胸の筋腱に貯蔵できないのでスイングは弱くなります。
後者は反動動作をそのまま運動エネルギーへ変換できますが、後者はそれができません。
意識では変えられない確率が高いと考えられるので、その場合は長濱式懸垂とディップスをお勧めします。





大谷翔平や蘇炳添、フェデラーと同じ反動動作を腕のスイングで起こす必要があります。
パンチによる腕の落下の動きは蘇炳添やフェデラーの腕振りと同様になります。

背屈ロック
外側へ向けて反動が作られ、肘は直角でロックされています。
野球、テニス、陸上、ボクシングが分かりやすいので引用しましたが、これはあらゆる競技に観察できる規則性です。
肩甲骨ロック⇒背屈ロック⇒ゲンコツロック
骨格の構造により導かれる必然であると考えられます。
そうなるのは、それが床反力と筋腱への張力を最適化するから。

背屈
以上ができる場合は必然としての二軸になると考えられます。
二軸
GGGがそうであるように、肘のロックが強いと体の外側へ反動が起こり、必然的に外側へのパンチが起こります。
それは二軸による効率的なエネルギーの移動が起こる、かつ肩甲骨平面内での加速になるので、パンチの勢いは大きくなります。
構造的な必然として起こると考えられますので、頭で念じたり反復しただけでは才能のある人以外は習得ができないと考えられます。
過去の記事で以上が起こる論理的な説明はしていると思うので、気になるなら探してみてください。
ボクサーはそこまで深く理解する必要はない考えますし、そうすることの弊害は小さくありませんが、それを承知の上で貪欲に高みを目指したいか、あるいは興味があるのなら、筋腱の構造やそれが収縮する原理、生体力学などを調べることは大きなヒントを与えてくれます。







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