速いジャブを打つ

よもやま話技術
ジャブの練習

ジャブの練習。ポイントはイメージで体を動かすこと。

鞭、ビンタ、投擲、メンコ、水切り、ハエたたき、裏拳などは、僕がパンチのイメージを伝える時に多用する言葉です。

大概は所謂パンチと整合する動作を引き出せます。

投擲動作とパンチ
これまでの繰り返しにはなりますが。 怪我の予防 1.肩甲骨外転前傾ロック 2.上腕内旋前腕回内 以下で説明するように、構造的にだとは思いますが、肘は上腕の内旋に連動して勝手に伸ばされます。仕組み上は肘が伸び切る確率が低いので怪我の予防になる...

体は言葉では動きません。また、言葉は対象を正しく説明しません。

前者から説明します。
体は言葉ではなく、頭に思い浮かべたイメージで動きます。より言及するなら、体を動かすのは感情です。

ライオンに追われたら、あなたは死に物狂いで走ります。アドレナリンとノルアドレナリンが神経系のリミッターを外します。
脳をスパコン化させ、瞬時に最適な逃走経路を導き出します。また動物化した体は通常は不可能な走行、跳躍を行います。痛みは完全に入力系からシャットアウトされます。
逃げ延びた後で、体が傷だらけであること、疲労困憊であることに気が付きます。

僕が「危機感を持て」というのは、危機感だけが、ヒトの幼児性を絶ち切り、体に備えられた真の知能と体力を引き出してくれるからです。所謂潜在意識、潜在能力です。

危機感は、平和が長すぎた日本からは失われたもの。だから三十年も停滞しているのだと思います。

ほぼ全ての武士階級の男が死の危機感と隣り合わせだったから、ちょんまげをしていた未開の日本人があっという間に大国ロシアを打ち負かすまでになれたのだと思います。

偉大になる人の多くが、病気や家庭の事情などで、幼少期に死の淵や孤独を経験していることも無関係ではないように思います。サイヤ人と同じです。
強烈なストレスは生存本能を刺激し、眠っていた遺伝子を発現させるように作られているのです。きっと。
イエスは洗礼の後で、ブッダは苦行の最中に、「これ、無駄だわ」と悟りました。これが宗教の苦行に与えられていた元々の文脈だろうと推理します。

明治期や昭和初期は、文字通り殺し合いを経験した、本物の危機感を持った男がいたました。
今のような、鏡の中の自分にうっとりしたり、スマホの中の、子供か大人かも分からないような女の太ももを見て興奮するような男はきっといなかった。今はそれができる程度には危機感が足りないのだと思います。

全財産をポーカーで賭けるとなれば、あなたはこれでもかって程に対策をするはずです。止めろと他人に言われた程度では辞めません。覚醒した脳はゲームの最中にミラクルを起こすかも。

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危機感が足りない その二
危機感は価値の判断を促してくれます。 危機感が足りない スパーリング大会に出場する予定のボクサーを仮定します。彼はこれが初出場のサラリーマンです。 彼は強い危機感を感じています。仕事が終わると、本当に必要だと感じる飲み会の誘い以外は断り、ジ...

閑話休題。

とにかく、体と脳を動かすのは感情。危機感はそれ。

頭の中であーだこーだと実況しながらライオンから逃げるような悠長さでは食われます。

翻って。サンドバッグ打ちやミット打ちはどうでしょう。「この関節はこう」「このタイミングで」「ガードは高く」という言語的思考はスポーツになると急に成り立つようになるのでしょうか。

先祖の原始人は、言語を獲得す以前はどのように猛獣から逃げたのでしょうか。言葉がないから動けなかったのでしょうか。だとすれば、何故僕たちは今ここにいるのでしょうか。

言語を持たない動物はどのように狩りを行うのでしょうか。

考えるまでもありませんよね。「感情」が体を自動制御しているのです。

凝視と感覚的記憶と自動システム
以下のインスタで説明しているように、記憶には「言語と映像」のような、僕らが直感的に想像する、所謂記憶に加えて、僕らの直感には反する感覚的記憶があります(長濱説)。運動の記憶、身体の記憶、感覚の記憶と色んな表現が思いつきますが、身体に保存され...
【自動システム】フロー状態の長濱説とその入り口【凝視】
ネットを徘徊していたらたまたま見つけました。凝視による自動制御の説明に近いです。「フロー」というのだそう。 フロー状態へ入るには言語を排除する 完全な主観的体験 上のTwitterの意味を理解するには、僕が「意識」についてどう考えているのか...

あなたは芸術家や数学者が、閃き(≒直感)により問題を解決する体験を聞いたことがあるはずです。

以上を総合して考えてみると、現代社会の所謂「思考」と定義された行為への違和感を覚えませんか。また、その違和感は新たな示唆を与えてくれると思いませんか。

つまり、社会全体が、思考ではない「何か」を、恐らくは単に「悶える」だけのことを、「思考」と錯覚しているのではないか、と思えてきませんか。これは僕の体験とも整合的な結論です。

冒頭の主張の後者、言語化は現象の流れを制止させ、部分を切り取る行為だから、それを正しく表して制御できない、というのは散々言及しているので割愛します。

上を他人に説明する為の例として挙げる小話を。

あなたは彼女、あるいは彼氏が欲しいと感じています。人生の中でときめいた異性の特徴を箇条書きして友達にメールします。「紹介よろしく」と。

友達はそれに整合する異性を連れてきました。

果たして、あなたがその女性を心から好きになる確率はどの程度でしょうか。初恋や一目惚れのトキメキを起こしてくれる確率は。

「条件通りだ。全く誤りはない。しかし何かが違う。ときめかない。」
こう思うのが関の山です。

言葉は感情を正確に表させないのです。

理想の「パンチ」を言語化して手に入れようとすると、どんどん問題は複雑化し、理想のパンチは遠のいて行きます。

危機感≒ノルアドレナリン
闘争逃走本反応 危機感とはノルアドレナリン。 ノルアドレナリンの効果 1.脳の覚醒による注意集中判断能力の向上 2.ワーキングメモリの向上 3.筋肉の収縮速度の向上 4.鎮痛作用 5.脂肪燃焼効果の向上 要するに「やるか、やられるか」という...
ロナルド・ライトのハードジャブ

 

身体は姿勢とイメージで動かす PART2
前の記事の続き イメージしか身体制御を行う脳の潜在意識は受け取ってくれないという話の続きです。このどは姿勢の話をします。 姿勢の話については散々しているので、復習になります。 構えが筋力を決める 関節の角度がその関節を構成する骨格に付着した...
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肩甲骨ロックと股関節ロックとジャブ
パラエストラ天満長濱クラス
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前鋸筋を利かすパンチのスイングのイメージ
肩甲骨の外転を保って腕をスイングする為のイメージを共有します。 「母指球でこするようなスイング」 長岡の動画が分かりやすいと思います。サンドバッグをこするように腕をスイング。注意点はサンドバッグを実際に殴る際はこすらないこと。こするようなス...
「役を演じる」イメージトレーニング
インナーゲームで紹介されていたトレーニング方法で僕の考え方と近いかなーと感じるものがあったので共有します。 振る舞いが自信を呼び、自信が技術を呼ぶ 強い選手は無意識にやっているはず。僕のパーソナルトレーニングや普段の選手の指導でも行っていま...

 

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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