大腰筋の収縮によるヘッドスリップ。
因果関係としては、
頭の運動→胸椎の側屈回旋
と予想します。
胸椎の側屈回旋→頭の運動
ではないということ。
頭の運動に連動して起こっている、と考えたほうが一般的な運動の感覚と整合するからです。
世界レベルのスプリンターは顎を上げて仰け反るように走りますが、それはそう意識しているからではなく、強靭な股関節と力学的な法則が導く必然と考えられます。僕はその方が自然な解釈だと感じます。
あなたは走る時に一々の関節の動きを意識することはありませんよね。全ては自動システムにより行われます。一流スプリンターもそれは同じだろうと仮定しています。
以上を一般化し、一流のボクサーは大腰筋が強い故に所謂スリッピングの動作で必然的に胸椎の側屈回旋起こっている、と仮定します。
この仮定からなら、彼らのようなカウンターの習得には大腰筋の強化が必要になると結論できます。この場合は大腰筋は必要条件であり、十分条件ではありません。
また、下のタイソンの戦い方を抽象し、以上の仮定と組み合わせるなら、ボクシングは骨格の構造が導く必然である、と言えるような気がしています。
これを性格や環境が強化していく。
練習を継続する忍耐力(性格)が骨格的な前提を導くことを手助けするだろうこと、また、以上の前提を持つことがボクシングを続ける動機(性格)を強化するだろうことは推理できます。自己強化です。
ところで、あなたにはあなたの自己強化循環があるはずです。それを見つけることが上達の鍵であると考えます。
このブログへたどり着き、僕の文章を読み進められるあなたには、「忍耐力」という強力な武器が備わっている、と予想できます。
あたがやるべきは肉体の自己強化の起点を探すこと。僕自身と指導の経験を一般化できるなら、それは前鋸筋小胸筋、大腰筋である確率が高いと言えます。
それがあなたの忍耐力と組み合わされるなら、大きな成果を導くことが推理できます。黙々とやるだけです。プロやプロ志望なら尚更。
僕の自己強化の入り口は、恐らくは知的好奇心です。当たり前に受け入れられていることに対して「何故?」と感じられること、そして、その感情に任せられてしまうことが、僕にとっての良い循環を生み出していると感じます。
僕は自分なりの解を導くまでは、日常生活に支障をきたすレベルで延々と考えられます。恐らくは何ヶ月でも何年でも。
また、何にでも「何故だ」と問います。子供の頃からその自覚があります。
数学や力学にハマったのも、「何故」を導く行為自体を楽しめたからです。考えることを苦痛に感じません。
しかし、それが苦手な人がいることも知っています。
「何故?」と感じることや、その何故を解くことを様々なことに優先させることを。だから簡単には一般化できません。
僕のこの習性は良い面と悪い面の両面を持ち合わせています。他人には理解されないし、理由を徹底的に問い詰めるので嫌われます。僕にとっては嫌われることよりも「何故?」を追求することの方が本能レベルでは大切なのだと諦めています。しかし、この性質の裏の側面は僕のボクシングと日々の生活を助けてくれています。
あなたにも他とは違う強力な何かが備わっているはずです。それは俗に欠点と呼ばれます。しかし、それは利点の裏の構造に過ぎません。利点は欠点よりも他人から指摘されるので、意識には顕在しやすくなっています。欠点の裏側にある、隠されたあなただけの膨大な資源を掘り起こすことに注力してください。
僕の経験から言えば、他人から否定される特徴こそが、人生を豊かにしてくれる資源です。
例えば、長岡には僕からすれば向こう見ずでもう少し考えるべきだ、と感じさせられることがあります。しかし、長岡はその性質で多くのスポンサーを獲得できています。長岡からすれば考えすぎて動かない僕が愚鈍に見えるでしょう。
欠点なんてそんなもの。
あなたは他人より何が優れているのか、または何が劣っているのか、そしてそれらを認識できた上でどう活用し、勝ちを引き寄せるか、この判断が最終的には重要になると考えます。僕の考えに汚染されることで見えなくなってしまうあなただけの可能性が確実にあります。
利点は欠点の、また欠点は利点の裏です。言葉は平面ではなく、立体的な構造をしています。
ある欠点を一面的に「こうだ」と決めつけず、色々な視点から眺めることです。その為には色んなボクシングに挑戦すること。きっとあなただけが独占できる膨大な資源を発見できます。
以下はボクシングを引き起こす実体として考えられるものの、僕の仮説の一つを話しています。
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