ギリギリまで床を踏み続ける

技術運動理論

股関節ロックの筋力を高めたら次の段階です。
股関節ロックは床を踏み続け、体へ運動量を与え続ける戦略です。
運動量を高めるには単位時間当りに与えるエネルギーを大きくするか、力を与え続ける時間を長く取ることです。
股関節が強いエリートは意識しないであろうことではありますが、僕ら非エリート人種はそうもいきません。
※例外は当然いる

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推進力の向上

股関節の構造は、床に接地して離地するまで強く床を踏ませ続ける為の構造と言えるのかもしれません。投擲、走行、長距離の歩行など野生下で求められた性質に合理化されているのだと思います。

日本人は元々股関節が弱い。普通に生きているだけでは強く床を踏むような習慣は身につきません。つまり、他の人種と比較すると非効率な方法で床を踏む習慣を獲得しているはずです。それがO脚や土踏まずのない足などの非合理を生み出していると考えられます。これは認める必要があります。

股関節を鍛えてもそれまでの習慣を実行し続けようとする本能の性質が、強く床を踏もうとするのを邪魔します。
なので、股関節を鍛えたあとで「床を長く踏み続ける練習」をする必要があります。

厳密にはオーソドックスなら、
右股関節への荷重→推進→左足の接地(同時に右足の離地)
この順番です。
左足の接地で支持脚の交換が起こるまでは床から力を受け続ける必要があります。※より厳密には少しだけ違うが脚の入れ替えのタイミングの説明は無意味なので各々で快適な方法を見つけてください

平均的に日本人は右足の離地が早く、宙に浮いている時間が長いだろうと考えています(床反力を受ける時間が短い=推進力が低い)。だからピョンピョンしているように見える。

左足の接地まで右足で床反力を受け続けられるように練習してみてください。

緩急の獲得

右足が床反力を受け続けるということは、体がエネルギーを受け続けるという意味でもあります。
つまり、左足が接地するまでは体の速度が上がり続けるということ。
所謂「静から動への緩急」です。
要するに股関節ロックと床から力を受け続ける習慣が緩急のある動きを演繹してくるということ。

右足の離地が速すぎる場合は途中で加速が終わり、相手へ向かうごとに速度が減衰してきます。

一流ボクサーは速度がピークへ向かって加速していきます。それが相手の反応を狂わせます。

ゆっくり動いていた物体の速度が急激に変化すると驚いて体が硬直します。で、反応が遅れる。

要するに股関節ロックが緩急という難しいフェイントも導いてきてくれるわけです。

一流の動きがどんどん簡略化されていく理由だと言えますね。普通に踏み込むだけでフェイントになる、だから無駄な動きを作る必要がない。一々考えることも減る。 

逆に股関節ロックが弱い場合は、エリートが普通に踏み込んでぶち抜くことを手間暇かけてやらなければなりません。練習がそうなるので、投下できる時間体力などの資源が分散され、エリートと比較すると、やればやるほど練習そのものが非効率化していきます。
つまり、負の自己強化循環へ突入してしまうんです。

やればやる程に無駄が削ぎ落とされるエリート。
やればやる程に仕事の為の仕事が増える非エリート。

これが同じ体重の人類に圧倒的な差を生み出しているだろうと予想しています。

大切なのは負の自己強化循環という地獄を抜け出して、正の自己強化循環へ突入させること。それを引き起こす為の構造を知ること。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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