ジャブの価値観は世界に通用する
米大陸のジャブ
コタ、トーレスのジャブのモーションは大きかった。
旧共産圏、欧州は異なりますが、中南米、北米の選手の試合を見る度に思っていたことです。体感して確信に変わりました。日本のジムで教える、モーションのないジャブは海外勢に対して強力な武器になります。
僕はしこたま当てました。強いパンチにつなげられなかったけど。
ちなみに旧共産圏、欧州勢のジャブはモーションレスで日本に近いす。
北米、中南米はフェイントを多様します。
恐らく米大陸全体にフェイントを重視する価値観があります。だからその環境では日本、欧州、共産圏のジャブのようにモーションの少ないパンチとの遭遇頻度が低く対応に時間がかかる。故にGGGや井上尚弥、恐ロシア勢の活躍を止められない。
僕のジャブがしこたま当たった理由の考察です。
ゴロフキン、クリチコの優位性
ゴロフキンやクリチコなどの旧共産圏の選手がバンバン倒していくのは、世界的な平均として、モーションの小さいジャブとの遭遇頻度が低く、対応力を磨く機会が少ないからではないかと現時点では考えています。
井上尚弥もそうです。ジャブから崩して行きます。
日本のボクシングの優位性は、もしかしたらジャブなのでは、と強く感じています。次世代を担い世界で戦おうとする若いボクサー、ジュニアは頭の片隅にでも置いておくといいかもしれません。「日本のジャブは当たる」と。
このモーションレスのジャブの価値観は残しつつ、ストレート信仰から脱却してGGGや井上尚弥のように、フックアッパーなどの反動を使う強打の重要性を評価しなおせば、世界ボクシングの環境を一変させられるのかもしれませんよ。日本がメキシコなどのように強豪国に数えられる日が来るかも。
日本はモーションの小さなパンチであるストレートにこだわりすぎていて、それがモーションレスのジャブの優位性を損ねているのなもしれないと強く感じています。
米大陸は反動を使うパンチを当てるためにフェイントを多用する方向性を、日本は反動を減らして最短距離いく方向性を持たされています。後者の無駄を削ぎ落として行く方向性の方が強力だと僕は信じています。
足し算ではなく引き算。日本の陶芸などの芸術、武道などからは、この方向性を感じます。
これが戦略的には強いのだと経験的に感じています。
しかし、ボクシングジムのストレート信仰に代表されるように、社会的な同調圧力が強い故に価値観の暴走を許し、時に非合理な方向へ突っ走ってしまうことも、日本が抱える、歴史的にも証明されている弱さだと考えています。芸術や武道の無駄を削ぎ落とそうとする性質自体は強力なはずです。
若いボクサー、ジュニアは将来世界と戦う可能性があります。その時に慌てても遅い。大切すべき日本の価値観は守りつつも、世界と戦う為に必要な認識は取り入れましょう。反動を最小限にするパンチも大切です。が、僕がそうであったように、それだけでは海外勢を敗れません。要所要所では反動動作(ssc)を用いたフック、アッパー系の強いスイングも要求されます。
逆でもいいかも。軽めのフックを見せつつ要所で強くモーションの無いパンチをズドン。
縁起ですね。
コメント