「ガードを上げろ!」は子供でも言える

技術

「ガードを上げろ」を言い過ぎるのって危うくない?って話をします。
僕はしつこくこの話をしているので、概要については僕のブログを定期的に読んでいただいている方はご理解していただいていると思います。

誤解があると感じるのが「ガードが下がるのは怠惰だから」って発想。
ガードが下がるのは意識的な問題じゃあありません。
無意識の問題です。
ガードが下がるのは現象であって、原因じゃあないんです。
現象として起こっているものに直接働きかけてはいけません。
ぶっ壊れます。

例えば健康問題。
もしもそれが食生活や生活習慣が原因となって引き起こされる現象だった場合、投薬で一時的は健康になったように見えたとしても、時間の経過と共に別の問題が表面へ現れてきます。
仮に投薬の副作用も現れてきたら、その人は以後薬漬けとなり健康とは言えなくなるでしょう。

根がどこにあるのか。
そこを見極めなければ問題解決にならんのです。

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ガードガード言うな

努力が足りないからガードが下がるのではなく、姿勢や運動の世界観が違う結果として起こっているのです。
きちんと拳が投げられるならガードは顎の位置へ戻ってきます。体にはそうやってバランスを保つシステムがあって、だから僕たちは転ばずに飛んだり跳ねたり、走ったりができるのです。

投球時に両腕が広がるのは転ばない為です。

体が全自動で投球腕と反対の腕を動かして投球の重心移動を相殺しています。

ガードがどこかへ飛んでいくのは上記のようなことが起こって、自動システムが投げる腕の推進力を相殺するために起こります。

投球で投球腕と反対側の腕をロープで縛ったらどうなりますか。
速い球なんて投げられませんよね。
「ガードを上げれろ」は上記と全く同じことをしてます。
強いパンチが打てる訳がないんです。

バランスや姿勢の悪いボクサーがガード上げ続けてパンチを打つ練習を続けるとガードが下がらない程度の強さでしか打てない雑魚ボクサーが完成します。
そこにアドバンテージを見出すのならそれでいいんです。強く速いパンチの抑止力を上回る利得をガードがもたらすのなら、それはすべきです。

問題はガードを上げ続ける習慣によって失われるものを知らないこと。
小さくまとまって何の恐さもないボクサーは簡単に殴ることができるので、全体で見ればディフェンスの能力が損なわれている可能性があります。
そしてその確率は低くないと思います。

ガードを上げ続けるなんてのは合理性がありません。
あくまでもガードを上げるのは戦術。
カネロvsビボルを思い出してください。
ビボルもカネロも戦局によってディフェンスを使い分けていました。
常にガードを上げていたらカネロのような強打は不可能だし、ビボルのようなハンドスピードは実現できません。
でもハイガードは全身をカバーできるからディフェンスとしての効果は高いです。
それを知らずにギャーギャー言うのが良くありません。

ただただ「ガードを上げろ」って言うだけなら誰にでもできます。
そんな指導では選手は納得しません。だってPFPをYoutubeで見ているんですから。
ガードが下がらないPFPはいません。それが自然なことだからで、怠惰だからじゃありません。

既述のようなガードが下がるメカニズムを理解していなくても人は普段の動きとの違いは直感できます。
普段やらない動きに「おかしい」と直感が起こるのです。
あなたが「おかしい」と感じたならそれはおかしい確率が高いです。
人間の高度な計算能力はおかしいことはおかしいと何となく感じとることができます。
だからこそ「ガード上げろ」だけでは誰も納得しないんです。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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