ゆたぼんデビュー戦
技術的なことは以下の記事にあります。
今回はメンタルの話をしようと思います。
この動画はリングサイドから撮影されているので、とてもよく見えます。
集中ルーティン
入場の直前にゆたぼんと目を合わせているのは「目を合わせることで雑念を取り払う儀式です」
一点(目)を見ると集中が高まります。相手がいなければ壁や床のごみを見てもいいです。
「ごみを探して、形を強く認識する」これが僕の現役時代のルーティンでした。
形が鮮明になるにつれて不安や恐怖などの雑念が頭から取り払われて、目の前のことに意識が没入していきます。
子供達には僕の目を見せています。
理由は「集中しているかどうかを僕が判断できる」ことと、「子供たちを安心させるため」です。
子供たちは集中している感覚(目の奥が落ち込んでいくような感じ)を明確に認識していません。
集中力は高いですが、その状態を作りこむまでの過程を知らないので、僕が導いていく必要があります。
目を見るのは一点に視線を集めて雑念を取り払うのと、集中した時の表情と感情をミラーニューロンに伝えるためです。
集中しているときの表情は分かりますので、集中したと感じるまで目の奥をのぞき込んであげます。
緊張してもいい、怖くてもいい
「緊張するのも怖がるのも問題じゃない」と考えることは本番で力を出すためには必要なことです。
「緊張してはいけない」「怖がってはいけない」と考えることは最悪です。
「~してはいけない」は否定です。絶対に試合前に自分を否定しないでください。
「緊張してもいい」「怖くてもいい」と言い聞かせてください。心にが楽になります。
僕は試合の直前は選手を完全肯定します。ウォーミングアップのミットで失敗したときほど褒めますし、試合の直前にごちゃごちゃ言うこともしません。
試合の最中もリングサイドで完全肯定します。
パンチを受けたときは「気にすることはない」パンチを避けたら「簡単に避けられている、恐るるに足らず」当たったら「相手は弱気になった」など。
僕が現役時代にやってほしかったことをやります。
リングでは選手は心細く、不安になります。
本当にギリギリのところで踏みとどまって戦っています。
肯定されるだけでもう少し頑張ってみようと前向きに思うことができます。
「相手が弱気になっている」と聞いただけで本当にそう思えてきます。頑張れます。
ポジティブになると相手の一瞬の隙、弱さが見えてきます。
そうすると頑張る好循環が生まれます。
ライバル
ゆたぼんの成長の最大の原動力はライバルです。
彼らといい関係を築けていると感じています。
ただの仲良しこよしではありません。時にスパーリングでやられて悔しい思いもしているでしょう。むかついたり一瞬嫌いになったりもするでしょう。
しかしだからこそ、お互いの努力、感情を認め合って敬意を払うことができると思います。
とても美しい友情だと僕は感じます。
勝つ嬉しさと負ける悔しさを知っているから他人の感情が理解できて優しくなれるはずです。
この年で勝負の楽しさ、厳しさを知っている彼らの将来はきっと明るいですよね。
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