股関節おじさんは「手打ち打法」を推奨します

技術運動理論

打法が2つあることはこれまでちょくちょく解説してきました。
どちらも利点があるとお話しましたが、ボクシングの競技においては手打ち打法が合理的ではないかと結論しました。

パンチには大まかに「引っ張り打法」と「手打ち打法」二つのメカニズムがあり、それぞれメカニズムの違いに起因した動作の違いがあります。
これらは僕の思い込みではありません。
打法は二つあります。
メカニズムの違いによる動作の違いが少しづつ分かってきました。
ただ現状は動作の違いで断言できる部分が少ないので、もう少し研究してみて、少しづつ共有していきます。

日本で広く普及しているのは「腰を回せ」の引っ張り打法ですが、今後僕が推奨するのは「手で打て」の手打ち打法です。

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メカニズムの違い

引っ張り打法

引っ張り打法を簡単に説明すると末端を骨盤に起因した体幹の回転で引っ張ることで加速させる打法です。
体重移動で身体を引っ張っていきます。
以下のインスタの「パンチ」が引っ張り打法で「ダンベル」が手打ち打法です。
意識的には体幹で腕を引っ張るのが「引っ張り打法」腕で拳を加速させようとするのが「手打ち打法」です。
ハードウェアを動かすためのソフトウェアから違います。

引っ張り打法では腰の回転に意識が向くので「腰の回しすぎ問題」で議論したこと、つまり腕と体幹の運動量交換が上手くいかず、拳の速度が出せないことが起こります。

以下の動画を比べてください。
パンチよりダンベルを投げる方がスイングが鋭いと感じませんか?
ニュートン力学が正しいなら、質量の大きなダンベルをスイングする方が難しいにもかかわらずです。

何故スイングの鋭さに違いがでるのか。
力学的に説明するなら理由は単純で、腕に体幹の運動量が渡せていないからです。
つまり完全な運動連鎖が起こっていない。

以下のインスタも引っ張り打法が分かりやすいですね。
打ち終わりがドーンになり、見た目が派手で強そうですが、実際には体幹のブレーキ効果がないので、腕の加速が甘いです。

手打ち打法

手打ち打法は「自動システム」に体幹の操作を任せます。
重い物を持ち上げると股関節が勝手に動くように、「腕を高速で動かそう」という意識により股関節を動かすという発想です。

自動システムが身体を制御し、腰の回しすぎによる体当たり(重心の前方への移動)も小さくなるため、バランスが崩れません。

パッキャオのシャドーボクシングなんかは手打ち打法の特徴が顕著に表れています。
バランスが崩れませんし、振り出した腕がゴムのように自然に元の位置へ戻ります。
体重移動で腕を引っ張って加速させようとする引っ張り打法ではこの速度は実現できません。

僕は引っ張り打法の練習をしていた過去がありますが、現在は手打ち打法へ完全に移行しました。
スピード、パワー、精度、バランスなど引っ張りでは実現できないレベルに到達できます。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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