癖は直すのは大変

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最近は6回戦ボクサーの髙根選手と一緒に週1回だけボクシングを教えています。
髙根選手は根性があり辛い練習でも嫌な顔一つしません。
それが彼の短所であり長所だと感じます。

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テキトーな奴の方が自然に動ける

動作自体は上手いとは言えないんです。
決して才能がないのだと言っているわけではありません。
不自然な姿勢を持ち前の根性で覚えてしまったんです。

常に全力ではありますが、それが却って悪く働いてしまっていまった例だと思います。
テキトーで楽したがる人間なら力が必要な立ち方はしません。

彼は根が真っすぐなんです。
それはずっと感じていましたし、それが彼の魅力でもあるんです。
だけれども、ある程度テキトーにやれることも才能の一つなんだと今は感じます。

彼は僕にわざわざ連絡してくれて、ボクシングを教えてほしいと言ってくれたんです。
ボクシングを引退したばかりの先輩には気を使ってなかなか言えないと思います。
それができるのひたむきな強引さが彼の魅力であり強さであると思うんです。

余談ですが彼は試合中にダウンを奪われて泣いてしまうほど感情が豊かなんです。
「泣き虫」とも取れますが、感情こそが人間の原動力でもありますからね。
僕はそこに物凄い才能を感じたんです。
髙根選手の燃料タンクにはたくさんのガスが詰まっています。
エンジンを少し改良してあげれば、物凄い力で推進してくれるはずです。
僕はそう信じています。

膝で動く癖

髙根選手の癖は膝で動きだしを作ってしまうことです。
繰り返しですが股関節と膝は連動するので、膝が動くのが悪いと言っているのではありません。
膝から体幹へ力を伝えようとしてしまうのが良くありません。

井上尚弥選手やキックボクシングの那須川天心選手は股関節で動きますが、後楽園ホールで見るレベルの試合はメイン以外はほとんどが膝で動いていると常々感じていました。
普段超一流のボクシングしか見ないファンは驚くと思います。

これは日本人の素質云々ではなく指導面の問題だとも僕は感じています。
ここまで膝主導なのは違和感を覚えるからです。
「母指球荷重」のような、思い込みを超え信仰にまで高められた思想が根付いてしまっているのだと思います。
つい先日も両足の踵を上げているプロボクサーに会いました。
「何故そんなことをしているんだ?」と聞いても確かな理由があるわけではありませんでした。
僕もそうでした。
漠然としていました。
踵を上げていた時期があったんです。
野木トレーナーに指摘されるまで信じ込んでいたんです。

話を戻します。
髙根選手ははじめ我流でボクシングの形を学んだみたいです。
そのせいもあってか膝が必要以上に折れます。
見ているだけで疲れそうな姿勢で動きます。

もちろん最初に良いお手本を見つけたり、元々腸腰筋が強く股関節が使えれば我流でも正解を選べる人もいるとは思うので我流は否定しません。
日本のジムが正解を教えているとも思えませんしね。

ただ髙根選手は異様なほど膝が曲がるんです。
僕はそれが前からずっと気になっていたんです。
「なぜそんな疲れる姿勢をしているんだ」とずっと言いたかった。

髙根選手は前腿とふくらはぎが発達し、その割には体幹と臀部が小さい。
典型的な膝主導の肉付きをしています。

癖が直らない

動きに改良を加えていますが、これがなかなか難しい。
癖はなかなか抜けません。

理由の一つは何度も繰り替えした動きは脳細胞に刻み込まれてしまうからです。
非効率な動作でも何度も何度も繰り返すうちに意識をより下層にある無意識に浸透してしまいます。
箸や鉛筆の持ち方がそう簡単には治らない理由です。

あともう一つ。
知識は経験をもとにして脳に刻まれることが挙げられます。
どんなに理屈を理解していても、実際に体験してみなければできないんです。
僕が髙根選手に「骨格で立て」と言ったとしても、髙根選手が理屈を理解しているだけでは実践できなません。
骨格で立って初めて「ああ、長濱の言っていたのはこれか、確かに楽だし強く動ける」となるからです。

先入観もあるかもしれません。
僕が「真っすぐ立て」と伝えてみても既述のように真っすぐ立てることで発揮できる強靭さを体験していないと僕のいうことを疑います。
これまでのやり方を投げ出すような気持ちにもなるし、「膝を曲げろ」という教えが蔓延しているので、どうしても直観に反するはずです。

ただ、真っすぐ立つのは簡単なはずなんです。
幼稚園児でもできます。
歩く時や真っすぐ立つ時の姿勢を作るだけなんです。
「普通に立って」は難しいことではありませんが、疑いを持ったままでは実践することは絶対にできないんです。

出てほしくない時に癖は出る

髙根選手は僕とのディフェンスでは股関節を使えるようになってきました。
格下とのスパーリングでならある程度できます。

だけど、格上とのスパーリングではできなくなるんです。

これは一番やらなければならないときにできないことを意味します。
試合で一番苦しいとき、相手が強ければ強いほどできなければならないことができなくなるんです。

まとめ

最初に覚えた姿勢が大切なんです。
楽に立てる→股関節が使いやすくなる→もっと楽に立てる→もっと股関節が使いやすくなる。
こんな好循環を作り出すためには最初に教えられる、または覚えた姿勢が本当に大切です。
それが全てと言えるかもしれません。

最初に弱い姿勢を覚えてしまえば弱さの悪循環に陥り、強い姿勢を覚えられると強くなる方に舵をきれます。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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