今日は115kgのデッドリフトをやりました。
バンタム級からミドル級まで色んな体格の選手でやりましたが、一番軽々上げていたのは松本圭祐(https://twitter.com/k_s_kma2box)選手(以下圭祐)。
未来モンスターで知られていますね。
当然なんですが、筋肉量は身長も体重も上の僕や一緒にいたミドル級の伊藤大賀(https://twitter.com/0415_taigaito)選手(以下大賀)の方が上です。
だけど、圭祐の方が上手い。
色んな要因があるとは思います。
普段からデッドリフトをやっていると運動神経と筋の連携が円滑になって筋力が発揮しやすくなります。
もう一つが慣性(慣性モーメント)が関係しています。
以下の記事でも取り上げましたがもう一度復習します。
慣性モーメント
右の人の方がバッグを持つのが大変そうですよね。
支点から遠い位置に質量があると同じ質量でも強い力がかかってしまうんです。
てこの原理
デッドリフトも同じですね。
足からシャフトが離れて遠くにあると持ち上げるのに大きな力が必要になります。
圭祐がデッドリフトをしている時、重心の位置の真上に足がありました。
慣性モーメントが小さくなるので、比較的小さな力で持ち上げられます。
こんな話をしてボクシングになんの関係があるのかってことなんですが。
パンチ
これまで「どうやって下半身で大きな力を発揮させて、それを末端へ伝えるか」と言うのはやってきましたが、最後の最後、拳の衝突の瞬間に力を分散させないって方法は記事にしていませんんでした。
パンチの衝撃を上手く伝えるなんて当たり前のことなんですが、結構難しいですよ。
僕はこれが苦手なんです。
パンチの時に腕をしならせるために肘に身体意識があるというのも関わっているかもしれません。
とにかく苦手です。
ごく簡単に力が逃げるって何かを伝えてみます。
例えば拳の衝突の瞬間に腕が曲がっていると力が逃げてしまいますよね。
垂直な針金と湾曲した針金を地面に突き刺した場合、刺さるのは垂直な針金です。
湾曲していると力が横に逃げていきます。
「拳と腕を目標に垂直に衝突させる」以外にも筋を短縮させて関節の可動域も減らさなければなりません。
適切な瞬間に筋を短縮させてれば関節の可動域を減らして力の分散を防げます。
※ディフェンスの時は逆に脱力して衝撃を逃がします。
ボルト選手の関節の分離の記事でお話しましたが、関節を適切なタイミングで動かす(別々に筋を短縮させる)というのが本当に難しいんです。
筋肥大を起こすウェイトトレーニングみたいに確立された方法があるわけではないからです。
「こうやったらいいんじゃないか?」みたいなのはあると思いますが、現状は試行錯誤の段階だと思います。
これが下手だと僕みたいに大きな力を発揮しできても怪我をしたり、力を上手く伝えられず相手を倒せません。
ディフェンス
ブロッキング
ディフェンスの側面から力の伝え方を見てみます。
カネロ・アルバレス選手ってゴロフキン選手とかセルゲイ・コバレフ選手のパンチを弾き返すじゃないですか。
半端ない衝撃なはずなんですが、身体がぶれません。
あれって普通じゃないんですよ。
で、僕は腕の筋力とか体幹が強いとかでは片づけられるはずはないと思っているんです。
んなわけありません。
僕はアルバレス選手のグローブをつける頭の位置、腕の角度、首の角度、重心の位置が絶妙なんじゃないかと思うんですよね。
「腕が頭を支点にしたてこみたいになってんのかな」と考えたりしています。
だから強い衝撃を受けても跳ね返せる。
僕が見るとブロッキングの固さは異常なんです。
腕力だけでは説明できないと思っています。
別の機会にこの件も考えてみたいと思います。
以下の記事でもお話しましたが、パンチの受け方次第では衝撃を吸収できます。
ブロッキングの時の腕や首の角度なんかを上手く合わせるとゴロフキン選手のパンチを弾き返せるのかもしれません。
何かまとまりのない話になってしまいました。
まとめ
オフェンスでの力の伝え方、ディフェンスでは力の逃がし方が重要になる。
大きな力を発揮できても詰めが甘いと、無駄になる。
アルバレス選手のブロッキングに関しては謎。
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