【脱力】フィジカルトレーニングとしての瞑想【習得】

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瞑想による呼吸法が脳を鍛え、また呼吸法の違いが脱力を生むと以前記事にしています。
今回はメンタル面だけでなく、フィジカル面における瞑想の効果をお話します。

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力み癖による筋肉の骨格化

腸腰筋とそれに伴う筋の強化による骨格の動物化がスポーツのパフォーマンスを上げる上で重要だとお話してきましたが、もう一つ「脱力の感覚を覚える」必要があります。
例えば腸腰筋が強くできたとしても、それまで骨格の一部として利用していた筋肉は『力み癖』により固まったままです。
この筋肉を緩めてやる必要があります。
腸腰筋をいくら鍛えて強くしても大腿四頭筋による骨格を支持する力み癖を10年以上積み重ねていた場合、凝り固まった背筋や腸腰筋、大腿四頭筋を緩めないことには骨格の構造上、骨盤が前傾できずハムストリングスを伸張できません。

なので筋力を鍛えるだけではなく、骨格化した筋の脱力をさせて全身の関節を緩め本来の位置に戻す必要があります。

僕は全身の脱力の感覚を覚えるためのトレーニングとして瞑想を取り入れています。
脱力により身体能力を向上させたい方や力み癖に悩まされている方には特に推奨します。

前提として「脱力」は完成することはありません。
気がつけばいつの間にか力んでしまいます。
しかし、『真の脱力』に向かって感覚を深めていくことはできます。

瞑想で脱力の感覚を手にし、身体能力を飛躍させましょう。

身体の重さを感じる

脱力による利点の一つは身体の重さを感じて道具のように扱えることです。
ハンマーの重み(慣性)を感じるように腕の重みを感じることで腕を加速させ振り回すことができるようになります。
力学的に慣性力(重さ)を働かせるには条件(後々解説します)があり、その方法を実現する為には身体の重さを感じることが必要となります。
※慣性力による物体の加速原理は以下の記事で解説しています。

簡単に慣性力による加速を解説しています

もう一つの脱力の利点は運動に必要のない筋を脱力することで、身体に備わった位置エネルギーを効率的に運動に利用できることです。
力み癖によって骨格化した筋をほぐし流体化させれば、脱力により筋肉や内臓などを地面へ向かって落下させることができます。
陸上短距離でボルト・選手が肩を落下させて地面反力を大きくしていたようなことはボクシングでも真似できます。
肩甲骨の動的な可動域を広げられればその重さを拳へ乗せることもできます。

しかし残念ながら身体の重さを感じるなんてことはそう簡単にはできません。
雑事に終われる日常生活では特に難しくなります。
一定の時間は集中して脱力のトレーニングに割く必要があります。

時間がもったいないと思うかもしれません。
しかし一度脱力の感覚を掴むと自分が脱力しているか否かを判断できるので、日常生活がトレーニングに変わります。
トップアスリートは骨格立ちし日常的に脱力しているはずです。
差を広げられないためにも必要になります。

一度脱力の感覚を覚えると日常生活でも反復して脱力を実践できるので、どんどんその感覚を深めていくことができます。

瞑想による脱力の感覚の習得

今回は僕の瞑想中の脱力の感覚を共有しておこうと思います。

椅子座りながら瞑想します。
この時骨盤が後傾しないように椅子を用意しください。
胡坐は骨盤が後傾してしまうので脱力を覚えるための瞑想には向いていません。
必ず上半身の重みが骨盤に乗り、重みに押さえつけられるような感覚を意識します。

瞑想を開始すると初めは感覚的には頭の皮膚が下へ伸びるような感覚があり、次に頭が重くなってきます。
なぜ頭の重みを感じるかを簡単に説明します。

普段は力を入れて頭蓋骨を支えている筋が脱力するので、頭蓋骨の重みにより筋が伸張されます。
そしてそれらの筋の中にある筋紡錘などの感覚器官が筋繊維が伸張されていることを感じて、感覚として脳へ入力します。
筋紡錘やゴルジ腱器官からの入力。
これが脱力した感覚の正体です。

次に首が肩にめり込むような感覚を覚えます。
同時に肩にズシリと腕の重みを感じるようになります。
時に引っ張られすぎて痛みを覚えるほどです。
これも肩を支えている筋が頭蓋骨と肩の重みにより伸張されたことを脳へ伝える入力です。

今度はみぞおちの辺りを真下に引っ張れるような感覚を覚えます。
恐らく頭の重みにより背骨が弓なりしなるように重さが伝わるためです。

椅子に座っている場合、床と足の接触面から力を受けていることを感じます。
これは脚の重さの床反力を感じている証拠です。
この感覚を覚えると、ボクシングで床を蹴る瞬間はかなりの重さを感じるようになります。
地面をどれだけ強く推せたのかを認識できます。

やり方

既述のように椅子に座ることをお勧めします。
慣れればそうではないかもしれませんが、胡坐だと骨盤が後傾した背中が丸まった形になりやすいです。
背中にも力が入りやすいので、背骨がしなる感覚や骨盤に乗る上半身の重さを感じににくくなります。

そして呼吸は吐くことを意識して腹式です。
胸式は胸郭を広げる為に力みます。
脱力できると自然と腹式呼吸になっていきます。

無心になる必要はありません。
それは無理です。
なので、呼吸のリズムに集中していください。
慣れてくると雑念が湧いてきてもそれを捕まえずにすぐに手放せるようになります。
雑念が湧いてきたなと思ったら呼吸のリズムを意識してください。
自然と雑念が消えていきます。

瞑想による脱力を覚えることができれば、骨格化した筋を緊張から解放して運動に動員できるようになります。
ぜひ一度、騙されたと思って『力み癖』を直すフィジカルトレーニングとしての瞑想を試してみてください。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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