練習では考えて本番では感じる

トレーニング
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”Don’t thinkFeel.”
「考えるな!感じろ」

これは『燃えよドラゴン』の名セリフで、
「ごちゃごちゃ言ってねーで戦え」
みたいな意味だったと思います。

ブルース・リーはジークンドーと呼ばれる格闘技の創始者です。
ジークンドーはボクシングなど色んな武道や格闘技から技術を盗んで構築された武道なので、ブルース・リー自身はよく考えて格闘技、武道を実戦していたい人です。
なのでこれはただただ直感に従って戦えという意味ではないはずです。

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考えるな感じろ

実戦においてはブルース・リーの言うように、考えている間はないので、感じなければなりません。

直感で戦うのって大切、というか強くなるなら実戦では直感による判断が不可欠になります。
試合や実戦の為に練習で直感を鍛えます

でも直感って表現は曖昧ですよね。

直感については僕なりの考えがありますので、それに基づいて話を進めていこうと思います。

直感は無意識化の運動

以下の脳の神経細胞の仕組みの部分を読むと理解が早いと思います。

広義の直感は「あ、閃いた!」みたいなものも含むと思いますが、ボクシングにおける直感というのは「ある瞬間に正しい行動を考える間もなく実践できる能力」だと定義しておきます。

例えば、相手の頭が右に動いた瞬間に右ストレートを打ち込んだり、左に動くタイミングに合わせて左フックが出たり。
考えていたら間に合いませんよね。

もっと簡単な直感だと、相手が前へ出ようとした瞬間に無意識にジャブを合わせられるような能力のことです。
経験がある方も多いと思います。

何故こんなことが起こっているかと言うと、人間は何度も何度も経験したことは無意識化で実行できる仕組みがあるからです。
学習した動作は練習の場面と似たような場面に遭遇した時に、考える間もなく高速で実行できるんです。

赤ん坊の頃にハイハイからよちよち歩きへ、そして普通の歩行へ。
二足歩行はとんでもなく複雑な体の連動(アシモは大苦戦!)なので、赤ん坊の頃にはそれはそれは苦戦した思います。
でも今では普通に歩くことができているはずです。

赤ん坊の頃は歩きながら「腕振りと足振りは逆だな」とか「頭を持ち上げないとバランスを崩すな」という風に考えていたはずです。
勿論、これは言語ではなく感覚による思考です。
「こうすると気持ちいい(上手くいく)」という感覚に従っていくうちに歩く技術を習得していきます。

学習によって習得した動きを無意識化で実践するのがボクシングにおける直感です。
反復練習をすることで身につけられる能力なので、言い換えると練習していないことはできません

相手のある動作に対して反復して同じ行動をとっていた場合、それが歩行のように無意識化の運動として脳に組み込まれて、同じ場面に遭遇した瞬間に自動的にその動作が起動されます。
脳はそう作られています。

『考えるな、感じろ』はつまり、本当になんも考えるなでなく、『練りに練られた理論により反復練習を行い、無意識化で実践できる程度にまで熟練させ、実戦においては直感で行動しろ』ということです。

実は実戦では直感を邪魔する存在があります。
それは思考です。

実戦において考えすぎることの弊害

字を書くというのも無意識化の運動です。
「この字はこうやってこうやって」なんて考える間もなくイメージすれば手が動きます

ここで少し想像してほしいのですが、難しい数学を考えながら綺麗な字を書こうとするとかなり難しくなりますよね。
高確率で手が止まります。
綺麗な字を書くための感覚に集中できないので、脳に保存されている字を書く動作を起動できません。

これと同様のことが実戦においても起こります。
実戦で深く考えすぎることはよくありません。
それが迷いなどの不要なノイズになって、脳の働きを阻害し本来の動きを損ねてしまうからです。

下手をすると数学をしながらでは時が書けなくなってしまうように、本当は簡単にできることなのに全くできなくなる可能性もあります

考えながら戦うことは大切ですが、本来はできることが考えすぎによってできなくなってしまうのであれば、実戦練習のスパーリングであまりに深く考えすぎることはよくありません。

字を書く時はその字や文章を頭の中でイメージするだけです。
戦う時だってそうです。
抽象的なイメージを浮かべるだけで脳の直感は起動されるんです。

考えすぎる僕には本当に苦手なことなので長い間訓練中です。
しかし試行錯誤を続けてきた僕には本番で練習の力を出すために、僕と同じような方の参考になるノウハウが沢山あります。

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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