ラフファイター
ラフな選手ってなんだか見栄えで過小評価されていると思うんです。
現PFP2位のロマチェンコ選手に土をつけたオルランド・サリド選手。
オリンピック2連覇でアマチュアの最高傑作と言われる超絶テクニシャンのロマチェンコ選手を文字通り自分の土俵に引きずり込んで判定勝ちしています。
ラフな選手って何がやばいかって言うと『ニッチ戦略』なんです。
普通の選手は反則スレスレのラフな戦術の練習をすることってあんまりないんですよね。
例えばローブローの練習する選手がいたらちょっとやばいですよ。
正々堂々戦う練習をしますよね。
特に日本はそうかもしれません。
だから想定している選手も当然、正々堂々タイプです。
練習も正々堂々戦って勝つにふさわしいものになります。
そもそもラフな選手と遭遇する確率が少ないので日常的にその対策を練習するのは時間がもったいないんです。
練習してなから対応できないんですよね。
ニッチ戦略に気をつけろ
王道のボクシングを見慣れているとニッチ戦略をとっている選手ってぎこちなく見えるんですよね。
だけど、それはその選手の戦略に最適化された戦術で武装しているだけだと思うんです。
普通のボクサーはその戦い方に慣れていないんですけど、その選手はその戦いに熟練しています。
ボクサーがレスリングするようなものですよ。
相手の土俵(レスリング)で勝てるわけがない。
だから気をつけないといけないんです。
相手の戦い方に違和感を覚えたら要注意です。
この戦い方で世界を獲った選手もいるしPFPファイターになった選手もいます。
以下の選手です。
ラフ・タクティクスを学ぶ
バーナード・ホプキンス
ホプキンス選手のキャリアの始めの方がどんな風だったかは分からないんですけど、僕の知っているホプキンス選手は結構ラフなんですよ。
ラフって言うか、超やり難い。
組み合って文字通り”レスリング”するのが得意だしその為にレスリングのトレーニングを積んでいたようなんです。
そもそもホプキンス選手って”普通のボクシング”上手いんです。
カウンターもジャブもディフェンスも上手い。
だから、あえてやっているんです。
ラフな戦術だと分かっていながら、勝つためにわざとやってるのが一番質悪いんです。
相手が嫌がるのを分かってて、とことんボクシングにしない為にやっているんですよ。
ホプキンス選手は。
腕で頭を抑えたり腕を挟み込んだり、下を向いて体当たりする頭突きに近い行為もあるんですよね。
ディフェンスも徹底してクリンチ。
厳密には反則なんですけど、レフリーは見逃します。
そして、ホプキンス選手を発展させたさらにやばいのがウォード選手。
アンドレ・ウォード
僕はコバレフ選手のジャブの使い方を学んでいたんですよね。
勉強の為によく見ていました。
初戦はまあいいとして、問題は再戦です。
ラフもラフ。
海外だとレスリングだと揶揄されていました。

まあでもコバレフ選手の気持ちも分からなくもない。
あれだけラフに削られたら文句を言いたくもなります。
ウォード選手は元々オリンピックの金メダリストなのでボクシング上手いんですよ。
だけど、相手が強いととことんラフに戦います。
だからウォード選手はホプキンス選手と同じであえて、分かっていてやっているんです。
ボクシングにしない為です。
コバレフ選手との試合は顕著でした。
初戦でコバレフ選手のジャブでグラつかされてストレートでダウンを奪われていたので、再戦は『普通にボクシングしたらだめかも…ラフにいったろ!!!』っの精神なんだと思います。
分かってやってる選手は徹底してるから迷いがないんです。やばいんですよ。
で、相手が嫌がる様子を見せたらラフなやり方に自信を深めてレフリーが注意するまではもっとラフにやってきます。
僕は一度総合の選手とスパーリングしたことがあるんですよ。
パンチを打ちながら体当たりされて、そこからグラップリングの始まりです。
冗談抜きで1ラウンドの2分くらいはグラップリングしてました。
でも、僕はこの経験から学んだんですよ。
『グラップリングの練習もしとこう、絶対に役に立つ』って。
実際この前の試合で約に立ちました。
スパーリングの最中は頭に血が上って喧嘩みたいになりましたが、今になって思えばかけがえのない経験です。
まとめ
まあなんだかんだ言いつつもラフな戦い方をする選手がいる以上、用意は必要です。
上記の選手から学ぶべきことも多いんです。
『下手くそ!』で終わると墓穴を掘ります。
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