上の動画は重要な要素が詰まっています。
まずは攻防一体やパンチの角度の創造。
大腰筋パンチ
脇腹の収縮で頭をずらし、比較的に安全な位置からパンチを打っています。
また、相手の反撃に対しても脊椎の側屈回旋(脇腹の収縮)で対応しています。これで頭の位置を大きく変化させて相手の射程を抜けています。加えて重心は股関節に乗ったままなのでバランスは崩れません。姿勢反射による力みを抑え、即座に反撃へ移行しています。
アリはのけぞっていても胸椎の後弯と肩甲骨の外転が保たれています。質量が股関節へ寄せ集められているので、バランスが保たれて強く床を踏めます。床から強く反発をもらえるから、腕のスイング反作用は硬いピンポン玉がそうなるように即座に跳ね返り拳を加速させます。
下の動画のカウンターはそれぞれ、レナードのそれと同じ原理が強調されていることが理解できるはず。
股関節ロック
レナードの股関節が常に内旋内転でロックされているのが分かります。
股関節をロックして頸骨に床を踏ませているわけです。構造的に、頸骨は床を踏む為の、腓骨はその補助の為のもの。構造から推理するに、腓骨は足関節を回転させて頸骨が床から強く力を受けられる方向を向くように制御しています。
二足歩行が成立した原始時代は地面がかなり凸凹しており、走行時の接地で足関節に大きな負担がかかっていたことが想像されます。
足の構造の複雑さから、二足歩行による走行は膨大な試行錯誤が要求された難事だったことが推理されます。
黒人や白人にX脚が多く、また足首が棒切れのように細いのは、腸腰筋内転筋中臀筋により股関節が内転内旋でロックされ、頸骨で強く床を踏めるからと考えられます。
一方で、アキレス腱が見えなくなるほどに日本人の足首が太いのは、上記の筋肉が生来的に弱く、股関節を内旋内転でロックできない為に、脚がO脚方向へ広げられ、それが腓骨に床を踏ませるからだと考えられます。
床を踏む構造ではない腓骨でそうしようとするなら筋肉で補強する必要があり、従って足首が太くなります。
また、足関節の可動性の低下や股関節が開いてしまう構造は、膝の噛み合わせを悪化させて、老化に伴う膝関節の摩耗などの負担を増大させると考えられます。
加えて股関節が内旋で内転でロックできないこと、すなわち外旋外転ししまうことは、骨盤の後傾を構造的に演繹し、それはまた脊椎の後弯を、すなわち老人の曲がった背骨を演繹してきます。それは腰椎の小さな筋肉へ負担をかけ、ぎっくり腰や慢性的な腰痛の原因になると考えられます。日本人に腰痛持ちが多い事実とも整合的です。
タイソンが還暦間近にしてあれだけ動けるのは、骨格を形成し、アウターマッスルの構造を合理化するコアの筋肉の劣化が生来的なホルモンの作用により抑えられてているからだと推理します。
ホルモンと類似の構造を持つPEDが骨格を変化させる、という推理は妥当に思います。
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