数学の問題を解いたり、パズルを組み立てたり、詰将棋をすることは好きですか?または規則的な動きや形にばかり目が行くとか。話の雰囲気よりも論理的な接続関係に興味が向かうとか。
だとすれば、あなたはパターンシーカーかもしれません。上の書籍では、人種を2つに分類しています。
著者は自閉的(≒ASD)な特徴のある人とそうでない人に社会を分類し、前者をパターンシーカーと定義しています。そして人類史において、太古からパターンシーカーが数学や物理、医学の法則を発見し、世の中を発展させてきたと主張します。
また、パターンシーカーは規則性を発見する強力な認知能力と引き換えに共感性が失われているという事実も主張されています。
これは、僕が問題解決勢と呼ぶ集団と、その反対の勢力がある、という認識とも一致します。
自閉症は遺伝により説明されます。例えばエジソンやイーロン・マスクなどの偉大な発明家の子供は自閉症である確率が高く、また数学科や物理科の学生は自閉的な性質が他の集団より有意に高い傾向が見られます。
並外れた認知能力を与えられたパターンシーカーは、海の波形から魚の群を探知し、またエンジン音から車の故障確率を予測する、など、魔法とも思えるほどの規則性の認知が可能なようなのです。
ただ、共感型の脳とは構造そのものが異なる故に、彼らは他人に共感しません。パターンにのみ興味を持ちます。これを聞いただけで想像には容易いですが、彼らのほとんどは共感性が欠如している故に社会に受け入れられず、その強力無比な認知能力を生かせていません。社会的に大きな損失です。
この本を読めば、人には遺伝子レベルで異なる役割が与えられていると理解できます。空気が読めないのは、そもそもその能力を神から与えられていないだけかもしれません。
だとするなら、一々の空気を読む努力は放棄して、あなたの認知能力を最大限に発揮し、パターンシーカーとして社会に貢献すべきです。
集団に馴染めないなら、無理に馴染もうとせずに徹底的に世界の法則を明らかにすればいい。いつか社会の方からあなたに振り向いてきます。
「ザ・パターンシーカー」ではパターンシーカーの思考方法が抽象され図式化されているので、論理的思考=パターン認知に興味がある人にもおすすめ。
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