二軸の加速原理について簡単に説明します。
誤解のないように先に言っておきたいのですが、パンチは基本的には二軸です。自然に投げられるなら二軸になるはずです。
が、二軸を弱めるような指導、固定観念がボクシングには存在しているだろうと僕は考えていて、それがこの話の起点となっています。
それを是正し二軸の原理を強調することが重要であることを解説していきます。
人体は連結振り子
人間の骨格は振り子を連結した構造をしています。
また人体はばバネのような性質を備えています。
二軸は股関節と肩関節を支点とした二重振り子によって腕を飛ばそうって発想です。
二重振り子、多重振り子は全身運動によるエネルギーを末端へ集約してく原理で、全身運動のエネルギーを拳へ集めるのが上手い選手ほどパンチは強くなります。
既述の通り、人体にはばねのような性質があり力を筋腱へ保存できます。
左図の場面は骨盤の回転力が肩の腱へ貯蔵されている状態です。
骨盤の運動が止まると肩の筋腱に貯蔵されたエネルギーが一気に解放され、引き伸ばしたゴムが縮むときの原理で腕が一気に加速します。
二軸を強調すると多くの力をバネへ蓄えられるので強く腕をスイングできます。
ただ、二軸の動作自体を強調する意識は実戦レベルでは使い物になりません。
別のもっとシンプルな方法で二軸を実現する必要があります。
それが二軸のスコープです。
相手を腕の外側、または肩の延長線上で殴るようにすれば自然と二軸が強調された打法になります。
一軸的なこんなスコープを持っていた場合、パンチの軌道が限定されて股関節だけの一軸的なパンチになってしまいます。
また構造上、無理やりこの範囲を狙う為、背中や胸郭に干渉されて推進力も弱くなります。
肩の可動域を見てください。
屈曲と伸展の可動域は小さく上記の一軸のスコープで狙う場合、制限があります。
肩の可動域からも二軸スコープによる二軸動作が自然な運動であることが理解いただけると思います。
人間の腕は外側へ向かって振るように作られているんです。
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