調和数列は等差数列の逆数。
調和数列とは、一般項 $h_{n}$ が a を初項とし定数 d を用いて
$\displaystyle h_{n}={\frac {1}{a+(n-1)d}}$
と表せる数列 $h_{n}$ のことである。
数学における級数 (きゅうすう、英: series) とは、ひと口に言えば数や関数など互いに足すことのできる数学的対象の列について考えられる無限項の和のことである。

調和級数$\dfrac{1}{n}$の極限
数列$\dfrac{1}{n}$の極限は0。
その級数について考えます。
つまり、どんどん小さくなる数列を一つにまとめたらどうなるか。
何かに収束するのか、発散するのか。
証明
任意のnに対して
$\dfrac{1}{n}+\dfrac{1}{n+1}>\dfrac{1}{n+1}+\dfrac{1}{n+1}$(加法律)…①
が成立します。
今回の命題となる数列$\dfrac{1}{n}$と、ある数列の下のような対応関係を考えます。
$(\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4})⇒(\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{4})$
$(\dfrac{1}{5}+\dfrac{1}{6})⇒(\dfrac{1}{6}+\dfrac{1}{6})$
$(\dfrac{1}{7}+\dfrac{1}{8})⇒(\dfrac{1}{8}+\dfrac{1}{8})$
この対応関係には上で示したような大小関係があります。
任意のnに対して成立します(数学的帰納法)。

加法律引用WIIS
要するに
前件$A_{n}$>後件$B_{n}$
となる式が構成できます。
つまり、$\dfrac{1}{n}$の無限級数より小さくなる無限級数が必ず構成できるということ。
具体的には
$(\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4})+(\dfrac{1}{5}+\dfrac{1}{6})+(\dfrac{1}{7}+\dfrac{1}{8})…(\dfrac{1}{n}+\dfrac{1}{n+1})>(\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{4})+(\dfrac{1}{6}+\dfrac{1}{6})+(\dfrac{1}{8}+\dfrac{1}{8})…(\dfrac{1}{n+1}+\dfrac{1}{n+1})$
という大小関係が成り立ちます。
$A_{n}>B_{n}$
が成り立ちます。
上の不等式の右辺を変形すると
$\dfrac{2}{4}+\dfrac{2}{6}+\dfrac{2}{8}…\dfrac{2}{2n+2}$(指数法則)
$\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}…\dfrac{1}{n+1}$(乗法逆元)
これは$\dfrac{1}{n}$の2<nのの無限級数です。
仮に$\dfrac{1}{n}$に既述の大小関係が成り立ち、かつaに収束すると仮定するなら、
$a>\dfrac{1}{n}>1+\dfrac{1}{n}$となり、加法律と矛盾します。
背理法より、$\dfrac{1}{n}$は発散します。
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