クロフォードの「ジャブ→カウンター」

戦略技術選手分析
クロフォードのカウンター
クロフォードのチェックフック

前傾してジャブ

冒頭の動画のカウンターの構成要素を考えます。

まずはスタンス。

脚がバシッと伸びています。このスタンスを作れるサウスポーは国内ではほとんど見たことがあまりせん。

全国大会出所者やプロのランカーレベルになるとちらほらと現れ始める印象です。

このスタンスは相手に距離を遠く感じさせます。

踏み込むのがストレスになるので、向かい合うだけで嫌な感じがします。

クロフォードのそれはカネロがガタガタにバランスを崩す程なので、そのやりにくさはきっと僕の想像を超えています。

クロフォードの立ち方とカウンターの関係

前脚が進行方向を塞いでいます。邪魔。

2つ目は股関節の奥行き。
頭は近いのですが、腰は遠い。

このスタンスは少しと頭を引くだけで、1mは距離を稼げます。冒頭の動画を確認してください。クロフォードの懐の深さは2mはありそう。

加えて、このスタンスが作れることは腸腰筋が強いことも意味します。すなわち、このタイプは足も速く強く動かせます。

カネロがバランスを崩し続けた理由を説明する要因の一つしょう。

また、僕は、それを補強したのはカネロの過信だと考えてます。

クロフォードにもっと敬意を払ったなら、カネロの経験を考慮するなら、違った結果や内容もあり得たと考えています。

闘牛士クロフォード
急造して階級を上げて来たクロフォードが、減量苦のないカネロを攻略は信じがたい事実です。 カネロに体格で勝るビボルにとっても簡単な仕事ではなかったはずなのに。 スタイルの相性 ガードを固めてノソノソと歩いて近づき、大きなタメ(反動動作)を用い...

カネロもクロフォードと同様のスタンスを作りますので、僕はもっと技術戦が見られると予想していました。

カネロにはGGG初戦のような、引きつけてカウンターの選択肢もあります。

強引に詰めるのはなく、押して引いてをを繰り返して主導権争いを行うチェスゲームをやれるだけの経験も持っています。

猛牛のような無策なファイターではないも思っていたので、第二戦にはそれに期待します。

頭脳戦が見たい。

引きつけてカウンター

以上のように、進行方向にある前脚と腰の遠さが構造的に相手の空振りを誘いバランスを崩させます。

そこをクロフォードはカウンターで狙い撃ちします。

蟻地獄視点のフック
フックを考える 「蟻地獄」は、逃れようとするほどに足場が崩れてしまう戦略的な構造を指しています。 分かりやすいのはロマ、GGG、カネロのシステム。 上の動画はロマの戦略を単純化、視覚化したものです。一言で言うなら高度な後出しじゃんけん。 後...

よって、身長で大きく勝るなどの上記の点を無力化するような要素がないなら、後出しジャンケンの駆け引きで勝つことを優先すべき相手に見えます。

タイソンやパッキャオが長身相手にやるような駆け引き。

それでどうにもならないなら特攻。消耗戦。

パッキャオの踏み込み方
踏み込み方
マイク・タイソンの長身との戦い方

カネロも本来は駆け引きで勝るタイプです。下のような我慢戦略をやってくれると思っていました。

カネロの長身との戦い方

クロフォードのニヤけ顔とジャブがそれを許さなかったのかもしれませんが。

アウトボクサーとの戦い方
上の動画は結果論である、と前置きして始めます。 避けて殴る カネロやタイソンが攻撃を成功させるパターンの一つを抽出しました。 リーチで劣る場合は プレッシャーをかける→相手を引きつける→殴る は、成功確率の高い一つの形だと考えられます。 タ...

SNSで共有してね

問い合わせ

トレーニングの依頼などはこちらから

パーソナルトレーニングやグループトレーニング、セミナーや取材、YouTubeコラボなどのご依頼はこちらからよろしくお願いします。

長濱陸Tシャツ

お求めはこちらから

スポンサーリンク
Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

股関節おじさんをフォローする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
股関節おじさんをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました