リカルド・ロペス分析その三

運動理論選手分析
ロペスの二軸パンチ
本編

ロペスのパンチは僕の定義する、「肩関節と股関節で腕をスイングする二軸」になっています。

二軸を推奨する理由は
1.運動量の効率的な伝達
2.肩甲骨平面内での加速
3.大腰筋の収縮
4.ディフェンス

ざっとこの4点が一度に実現できるからです。まだあるかもしれませんがぱっとは思いつくのはこの辺。

なぜ上の連鎖反応が起こるのかを考えます。

腕の加速力を最大化し、衝突時の反作用を肩甲骨に抑えつけさせ、標的に無駄なく力を伝えようとするなら、すなわち胸を閉じたままでパンチを強振しようとするなら、特にロペスのようにロングパンチを狙う場合は、脇腹(≒大腰筋)を収縮させ胸椎の側屈と回旋で体の軸を回す必要がありす。すなわち、体の側面にある肩甲骨平面を胸椎の側屈回旋により、体の前方へ捻り出す必要が生まれます。
ロペスはこの原理をなんとなく知っている、が一つ。

逆の論理。
ロペスは生まれつき大腰筋が強い。故に何をするにも自然体で大腰筋が利く。従って、パンチ動作における胸椎の側屈回旋が強調され、肩甲骨平面が前方へ押し出される、も考えられます。

後者の方が自然な論理だと思うので、確率は後者が高いように思います。

後者の論理で話をまとめると。
1.大腰筋が強い
2.ロングパンチで胸椎の側屈回旋が起こる(大腰筋が弱い場合は、股関節や膝関節の屈曲で代償するので頭が前へ突っ込む)
3.2により体の側面にある肩甲骨平面が前方へ押し出される
4.肩甲骨平面内(肩甲骨のソケットが噛み合う範囲)を腕が滑走
5.4により大胸筋収縮のテコが上腕へ効率よく伝達
※不安定な土台ではジャンプ≒(体の加速)か難しいことを想像してほしい
6.二軸推進
※体幹の回転方向と腕のスイング方向の一致。体幹の力が無駄なく腕へ伝わる

この連鎖反応が起こっていると予想しています。これが、僕が二軸を推奨する理由です。

もしも、これを前鋸筋腸腰筋強いことが導く自己強化の連鎖反応だと仮定するなら、この循環に入れない間は強くなれません。下手をすると、弱いから弱くなるの負の自己強化すらありえます。

リカルド・ロペス分析 その二
引き続きロペス分析の続き。 大切なのは物事を認識可能な大きさに分解すること。 ロペスのパンチの特徴を抽象すると一つの規則性が浮かび上がります。 1.頭が横へ動く 2.二軸 3.脇腹の収縮 以上のロペスのパンチの特徴から抽出できる要素から推理...
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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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