脳震盪を起こすパンチを考える その2

技術
技術選手分析

GGGとベテルビエフは打法を参考にしているって理由だけで選んでいます。ロシアンスタイルが打法では一番好きなので。

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脳震盪パンチ ベテルビエフ編

側頭骨を狙う

GGGは打ち抜くような倒し方が多いですが、ベテルビエフは擦るような当て方で倒す率が高い。あともう一つの特徴はGGG以上に右の軌道が大きく、相手の後方へ空振りすることだと思います。これらを勘案すると、意図的に側頭部から後頭部を狙っているんじゃないかと。でないとああいった空振り、擦り方は起こりにくい気がします。

ベテルビエフのKOシーンでこのパンチは頻繁に見ます。
相手の側頭部をこするように強打。

これも浅いんですがノックアウトになったパンチです。側頭部~後頭部が擦られています。

横から見ると側頭部~後頭部を殴っているのが分かります。

これは頬骨を殴ってます。
顎と言ってもいいかも。

ガードの後ろ、側頭部から後頭部を狙っています。

GGGとベテルビエフはこの手のガードを迂回させるパンチを頻繁に使います。
KO率の裏付けの一つかもしれません。

頬骨。

アッパーの軌道で側頭部を叩いています。

これも耳の上の側頭部。

これも耳の後ろ。

こするように側頭部を叩いています。

赤線でかこった範囲内にダメージを与える打撃が集中しています。

骨が沢山接合さているから振動が脳へ抜けやすいのかも。それで三半規管に加速度が加えられると、三半規管の勘違いが起こって平衡感覚を失うと。

正面からみるとこんな感じ。
頬骨の高さ。

まとめ

打撃が巧いというのはKOの要因になっているとは思いますが、リスクをとっているというのも印象に残りました。GGGもそうですがパンチそのものはけっこう受けます。ディフェンスが下手って意味ではありません。守りに徹すれば彼らのパンチの抑止力ならノーダメージで勝てるはずですから。かなりリスクをとっているって意味です。

もう一つはGGGもうそうですが相手の腕を迂回させて殴るのが巧い。相手の動きをよく観察していないとできない芸当で、もしかするとそれが本質なのかもしれないと感じてきました。どこを殴るのかってことも大切なんでしょうが、しっかりと”空いている場所”を狙うってことですね。「なるべくガードは殴りたくない」って効率を重視しているとも言えます。そのような価値観がガードを迂回させるための軌道、前鋸筋と小胸筋による強力な打法に繋がったのかもしれません。
「ガードを迂回させる」って前提が「前鋸筋パンチと二軸」って結論を導くのでは?と感じたのは、GGGとベテルビエフの攻撃の特徴が似ていると感じたからです。もう少し範囲を調べて確認してみたいと思います。

良く見える部分だけに限りました。以下のハイライトで側頭部をこするように殴っているのを確認してください。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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