この本の中にどんな練習が脳の力を活性化させ、競技力を伸ばすのかってヒントがありましたので共有します。
僕が経験上効果があると認識していた方法の説明にもなっていて安心しました。
不確実性と予測可能性
予想可能性
脳を活性化させる方法で大切なことのその一は予測可能であること。
ある程度の結末が予測できる状況でなければ人は楽しいと感じないのだそうです。
それはそうですね。
自転車は乗れるようになって始めて楽しくなります。乗れるようになる前は不確実性が大きすぎて不安なだけで楽しめません。
ボクシング初心者にいきなり実戦のスパーリングは難しい。僕が指導する時は選手の実力に応じて左ジャブだけのスパーリング、または30秒だけという風に不確実性を低下させます。また様子を見ながら上下させます。
適度なストレスの場合は良い意味で頭が真っ白になるので練習の成果が出せます。考えられない程度には緊張して、でも恐くて動けなくなるほどではない。この時にフローが起こります。初心者は緊張感がなさすぎると考え始めるので注意が必要です。
実戦を恐れることは悪いことではありません。僕も実戦は恐いです。
そもそも実戦が恐いのは当たり前で、それは臆病でもなんでもありません。大切な本能。従うべき直感(フロー)。
本当の臆病は臆病(直感)から目を背けることです。
長濱拳法の習得方法も自然とそうなっていました。パンチを教える時は既知の動作を延長させます。
これの効果が高いのは不確実性を減らしていてるのだとも解釈できます。
例えばパンチなら投げる動作を、ディフェンスならウンコやハエを避ける動作を延長します。
既知の動作なので動作への不安を軽減させ自然体を保てます。
成長の推進力を生む練習の条件その一は「予測可能性を高める」です
偶有性
【偶有性】
Wikipedia
その存在が必然ではないが、それが存在するとしても、そのゆえに、いかなる不可能も生じてこないもの
言い回しが難しいですが簡単に要約すると
「対処できる程度の偶然」
のことです。
完全な反復では脳は飽きて本能的に省エネ化し学習を放棄してしまいます。
それを防ぐ為には、不確実性を減らしながらもある程度の緊張を保つ偶然を組み込む必要はがあります。それが偶有性です。
自転車で坂道をを全力で下るときのスリルです。
子供の頃を思い出してください。自転車が乗れるようになると、ただ乗るだけではつまらなくなり、危険を冒すようになりますよね。ぼくは危険を冒して何度も骨折して痛い思いをした記憶があります。
脳が飽きないように、対処できる程度の不確実性を練習に組み込みます。
例えばディフェンスとオフェンスを分ける場合、ディフェンスはただ守るだけでなくカウンターを狙う、とか。
そうなるとオフェンスは漠然と手を出すのではなく、常に緊張感を保つことを要求されます。
ミットも反復にならないようにトレーナーが突然攻撃する、とか。
頭で考えながらはできません。
必然的にそうなるという論理的な練習の構造が求められます。
その構造を演繹するための論理性も要求されるので、一石二鳥で脳が活性化されますね。
コメント