「誰が言ったのか」と「何を言ったのか」

よもやま話

「偶然の科学」は社会の常識や神話といった虚構がどのように形成されているのかを社会学者のダンカン・ワッツ氏が分かりやすく解説しくれています。ボクシングにも色々なまやかしや神話がありますよね。常識と情報がこれだけ溢れた社会では常識の発生メカニズムを知ることや情報の真偽を判断する論理性が教養として必要になってきています。情報発信する僕は自らに強くこの能力を要求しています。

Bitly
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権威と論理

ボクシングに限らずですが、「誰が言っているのか」よりも「何を言っているのか」が大切だと僕は思っています。

主張の論理と権威。何を信じるのか。
マスメディアやSNSで作られた常識が間違えることは頻繁にあります。それどころか歴史的には大衆を扇動する兵器として、新聞やラジオ、テレビは利用されてきました。背後には恐ろしい数の屍が山積みされている事実を絶対に忘れてはいけません。みんなで渡れば恐くないが一番恐い。

メディアやSNSに限らず、日常においても他人の主張の真偽を見抜けなければ、気が付かない内に才能や時間、命を奪われてしまいます。

ハロー効果

「偶然の科学」では、誤った常識が蔓延る原因の一つとしてハロー効果を挙げています。

僕と全く等しい主張をボクシング未経験者がしていても見向きもされないですよね。
逆に権威ある指導者なら、めちゃくちゃな論理でも受け入れられてしまいます。このように無関係の場所から発生した威光が人の心を惑わせる現象をハロー効果と呼びます。

たまたま結果を出せた天才の”傍にいただけ”の指導者がいたとしましょう。彼は天才を育てた名トレーナーという威光を身に纏います。

しかし、詳細に彼の指導の内容を追えば、彼の知識や経験はその辺のフィットネストレーナーレベルです。つまり天才の傍にいただけ。にも関わらず天才の結果の威光は、さらなる天才を呼び寄せます。その天才達は当然ながら結果を出すので、フィードバックループにより、ただの街フィットネストレーナーが凄腕の指導者として認められてしまうわけです。原因は人々が権威に服従し主張の論理を見抜けないことにあります。

高所得者もそう。彼らにはすごい能力がありそうな気がしますよね。その威光が高所得に繋がる仕事を引き寄せて来るんです。だから所得のグラフはべき分布になっています。
実際にはたまたま好景気に大学を卒業し、たまたま良い会社に就職でき、またま得意な仕事にありつけただけの幸運な凡人かもしれません。

その根拠としてワッツ氏は経済の波と生涯年収との相関を示した統計を挙げます。好況期に就職した大学生は不況期に卒業した大学生より生涯年収が高くなります。卒業時に彼らの能力に差がなかったとしても。

有名アスリートの傍にいただけの親の教育論が持て囃されたり、景気がたまたま良かった時期の議員が評価されたり。結果と同じくらい熱心に課程にも注目しなければ実体は見えてこないんです。

「誰が言っているのか」という権威によって主張の真偽を判断するのは、それを確かめる労力が要らないので楽です。ただ、権威によって真偽を判断するのは論理性のないアホだと僕は思います。歴史的に見れば権威に騙されたアホは死にます。ボクシングでは正しいと正しくないの説明が印象論や感情論であることが多いです。僕も気をつけていますが、誰かに盲目的に従うことは緩やかな自殺なのです。ハロー効果に惑わされないように気をつけましょう。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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