クラウゼヴィッツの本にも孫氏と同様に戦い(未来)の不確実性と守りの戦略についての言及がありました。
守りを固める
不確実性を取り込むマインド
戦いは、というか未来は不確実です。からこそ、人の心が大切なのだとクラウゼヴィッツは言います。
天候が変わることや突然の敵の指揮系統の乱れによって軍隊の士気か下がり混乱が生まれるなど、様々な偶然によって戦局は左右され、何がチャンスに変わるのかは予測ができません。だからこそ軍隊の士気の高さ(前向きなマインド)が勝利を引き寄せるために求められます。何故なら敵の隙は一瞬しかないから。軍隊の士気が低ければその一瞬を見逃してしまいます。
クラウゼヴィッツの言う「士気が高い」とは僕が翻訳すると、「偶然に対して前向き、心が開いている」と言い換えられます。勝利に要求されるのは計画に執着しない、偶然を引き寄せるマインド。戦争戦略家、経営学、キャリア、ギャンブルなど、様々な分野に共通の本質なのだと思います。
守りが有利
偶然を引き寄せる鍵のもう一つは守り。
クラウゼヴィッツの本では守備的な構えの相手を攻略するには攻撃側はその3倍の戦力を必要とすると述べられています。似たようなことは孫氏の兵法でも述べられていました。
クラウゼヴィッツの本にはそれを証明する論拠はなかったのですが、経験的に、またボクシングの世界を見てもそれは正しいように思えます。この部分は少し深めて論理立てで考える必要を感じます。何か発見がありそうな予感。
孫氏の兵法もクラウゼヴィッツも固い守りを崩そうとした時に敵には隙が生まれ、そこが急所になるのだとと述べられています。要するに勝負は攻めではなく守りありきなんです。
あなたが臨む戦いが例え圧倒的不利なものであったとしても、あなたに求められるのは玉砕精神ではなく、偶然を呼び込むマインドと守りの戦略です。
格上との試合だと「玉砕しろ!」という主張は多い。ただのファンならいざ知らず、チーム全体がそうなってるのは問題ですよね。悪い意味での神頼みは経験上神に見放されます。。
「当たって砕けろ」は大切だとは思いますが、砕ける前提の無策では良くありません。緩やかな自殺です。
練習の戦略
試合が決まってから守りを固めても何も変わらない。日頃から守りの練習を徹底する。その価値観こそが偶然を引き寄せるのだと僕は最近思えるようになりました。
しっかり守れるから安心できる。安心できるから深く相手を観察し、チャンスを引き寄せられる。守りの戦略が正のフィードバックループを起こす論理。守備的なメイウェザーは当然としてもカネロ、ロマゴンなどの攻撃的な選手も第一ラウンドは守りを固め、相手を攻めさせます。僕はここに彼らの正のフィードバックループの起点、攻める相手にとっては負のフィードバックループの起点が隠されているのではないかと考えています。
統計で証明に挑戦できたら面白いなーなんて思ってます。
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