【二軸】『骨盤の斜め回転』と股関節に乗りたがる習性【手打ち】

運動理論
運動理論選手分析

インスタかツイッターでパンチの時に手打ちと脱力が上手くいっていると(力みなく自然に打てると)骨盤は床に対して斜めに回転するよって話しているんですが、それの補足をします。

平仲ジムでもパンチの時に骨盤は斜めに回転して水平回転はしないと教えています。
ただ、これは意識的にそうしろって話ではなく彼ら自身で彼らの動きを評価する時の指標として与えています。

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骨盤の斜め回転

例としてカネロを挙げます。
カネロ、デービス、タイソン、ロマゴンは二軸斜め回転のお手本です。

右腕の推進力を生むために右の股関節に荷重した場面。

反射により左股関節が伸展し左脚を持ち上げます。

左脚を持ち上げた力が股関節で骨盤の回転力へ変換され、さらに強く右の股関節を教えてハムケツを活性化させます。

Kスタンスになっていますね。

右の股関節に貯蔵したエネルギーを一気に解放した場面。

骨盤が左脚にぶら下がるように傾いているのが分かります。

実際に構造から考えて骨盤は左脚にぶら下げられて、右足を引きずりながら左脚に向かって落下ています。

左脚に落下しながら回転していくのが骨盤の斜め回転です。

これは別の場面。

骨盤の推進が水平になっています。

肩のラインは斜めになっているので、カメラの向きが骨盤の回転が水平に見せているだけで、実際には斜めに傾いていると思います。

腕へエネルギーが移った場面も肩が腕側へ下がっています。

肘が上がる回転力と骨盤の斜め回転の回転力は肩関節で合成されて肩を下へ押す力になります。

その力の方向に右の股関節があるので、青い矢印の回転力はオレンジの力となり、地面を押して反力として返ってきます。

こんな難しいことがどうして実戦でできるのかってことなんですが。

カネロは構えとかもそうなんですが、股関節への荷重がとても強い。
これは日常生活レベルで股関節に乗りたがる習性があるからだと考えています。

股関節に荷重して推進力が強くないと気持ちが悪い。
骨格で立って楽をしていないと気持ち悪い。
そんな感じだと思います。不快な感覚を遠ざける癖がある。

上記は低い打点を見ていきました。
今度は高い打点でどうなっているのか。
カネロの驚愕の身体操作が見えてきます。

右股関節に荷重した場面。

右肩が下がって右股関節にドサっと体重を預けているのが分かります。

二軸による斜め方向への侵入。

右股関節のエネルギーが右腕の推進を開始。

この場面。

肩はほとんど上がらずかなり高い打点を打ち抜いてます。

骨盤を見てください。
水平に近い斜めを維持しています。

股関節ってこんな風に斜めの軸になっているので、例えば左脚に荷重した場合はこの回転に合わせて右上半身が持ち上げられて右肩は上がるんです。

ただ、そうなると腕を推進したと同時ぐらいに右股関節の荷重が抜けて、床反力を受けられる時間が短くなるので、腕に大きな推進力を与えられません。

股関節に乗りたがりなカネロはどうしているかっていうと、左のあばらのあたりを潰しているんです。
以下の記事でお話したことなんですが、あばらの辺りって股関節に上手く荷重できると重さで潰されます。

つまり、カネロは右の股関節から左の股関節へ巧みに荷重して、脇腹を潰しているんです。
だから骨盤の斜め回転で高い打点が打てる。
潰れ方から推察するに力は抜けています。
力が抜けないとあばらは潰れません。

また距離の稼ぎ方も二軸的です。

体が左側を向いています。

これは左股関節を軸として、大きく身体を回さしていることを示しています。

左股関節から相手の顔面までが一直線。
「骨盤+腕」の射程を稼いでいます。

股関節荷重の上手さがスポーツの上手さであることは間違いないんじゃないかあと思います。

この場面も骨盤が持ち上げられずに「骨盤+腕」で圧倒的にリーチで勝る相手に強打を叩き込んでいます。

因果関係としては股関節荷重の上手さとそれに起因した脱力が根底じゃないかと思います。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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