「顔を隠すって」分かりにくい表現かもしれませんが、ボクシングに熟練してくると意味が分かってくると思います。
ウォードのディフェンスを見てください。
「避ける」というよりは「隠れる」
相手のパンチが当たる前に隠れてしまいます。
顔を隠す
顔が相手を見ていないの分かりますか。
相手のレンジは背後にあり、そこから見えないように顔を隠しています。
真っ直ぐ飛んできたジャブに対して直進。
左のレンジに対して顔を観客側へ隠しています。
究極系。
ローダッキングは鉄壁。
右のレンジに対して体をカメラ側へ隠しています。
これも同様。
右のレンジの外に隠しているだけ。
だから同じよけ方でアッパーでもストレートでも外せる。
インサイドに隠れてます。
レンジの外と中が最も安全。
組みに行く時は顔を左のレンジの外へ隠しています。
後頭部は反則であるという観念と”顔面”を殴り合うという観念(MEME)が組み合わさると脳の無意識は顔が見えなくなるんです。
物理的には見えますが、上記の観念の組み合わせによって見えるものが見えなくなってしまうってことです。
相手の無意識のプログラムをハッキングしています。
実際にこれをやられると分かります。
僕が顔を隠しながら動くのを平仲の選手たちの前で実践するとみんな攻撃が出せなくなることを体験します。顔は見えているんですが、無意識には見えなくなるので攻撃の動機が起こらなくなるんです。
コメント
アンドレ・ウォードと戦ったカール·フロッチもよそ見しているような仕草をしているように見える時もあるのですがあれは顔隠しでしょうか?パンチも手打ちにも引っ張りにも見えるのですが手打ち寄りでしょうか?
フロッチはウォード程のクオリティはありませんが、首振りやってますね。
ナチュラルに顔面の芯を外している感じです。
パンチは高純度の手打ちではありませんが、手打ちです。
コスタヤ・チューのような高純度手打ちは恐らく「コツ」として認識されて、鍛錬によって強化されてきたんじゃないかと思います。
あそこまでの徹底的な手打ちは類を見ません。
フロッチは手打ちですが、なんとなくできちゃっているだけでチュー程のクオリティはありません。