ボディーを守るために腹に常に力を入れるとか、構える時に少し腹筋に力を入れると教えられることがあると思います。
それについての僕の考えを述べていきます。
結論から言うと、普通に立った姿勢でお腹に力を入れるのはダメ。
腹が力むと骨盤が後傾する
腹直筋

腹直筋です。
骨盤と胸郭に付着し、腹部にまたがる筋肉です。
この筋肉は縮むと骨盤の前側と胸郭を近づけます。
つまり、腹直筋が収縮すると骨盤が後傾してしまうんです。
実際に立って腹筋に力を入れてみてください。
腰が丸まって骨盤が後傾するのが分かると思います。
腸腰筋

腸腰筋が収縮すると骨盤が股関節側へ回転するので、骨盤が前傾します。
骨盤に対しては腹直筋と腸腰筋は逆の働きを持っているんです。
なので腹筋に力を入れて立とうとしたり、腹筋に力が入る癖があると骨盤が後傾します。
スパーリングや試合などで緊張する場面で腹筋に力が入ってしまう方が多いと感じています。
パンチを打つ時に必要以上に腹筋に力が入ってしまい、骨盤が後傾してしまう方も多いです。
パンチを打つときも立つときもリラックス。
意識敵に力むとパフォーマンスが落ちます。
以下の腹式呼吸を覚えると腹直筋がリラックスしやすくなります。

黒人種の腹が出ているのは腸腰筋により背骨が湾曲していること、
もう一つはお腹に力が入っていないからだと僕は考えています。

ボルトがふにゃふにゃと走り、左図のようにみぞおちが突き出すのも力を抜きながら走れているからだと考えています。
丹田と腹式呼吸
今の武道にどのように伝わっているか分かりませんが、僕の記憶が間違っていなければ丹田と腹式呼吸が大切だって言われていますよね。
丹田は腸腰筋のあたりです。
昔の達人と呼ばれた人の中に感覚的に腸腰筋による骨盤前傾の重要性に気がついた人がいたんじゃと思います。
腸腰筋による骨盤前傾を深めるために、腹直筋を緩めることが重視されたのではないでしょうか。
胸郭の呼吸筋を緩め腹部を押し広げて呼吸する腹式呼吸を行うためには、腹直筋が緩んでいる必要があります。
腹直筋が緩むと自然と腸腰筋が優位になり骨盤が前傾しやすくなります。
つまり腹式呼吸は腸腰筋を活性化させ、全身の能力向上させる呼吸でもあります。
丹田と腹式呼吸が武道で重視されてきたのはこういった理由からかもしれません。
腹式呼吸と胸式呼吸の原理的な違いは以下で解説しています。
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