これまで股関節の重要性を説いてきました。
しかし股関節が動くだけではだめです。
股関節が動くことと同時に大切なのが股関節と連動して骨盤が動くことです。
股関節が強く動かせて、且つ「骨盤を大きく回転させられる」「体重をきちんと移動させられる」ことが重要になります。
股関節を活性化させる目的は柔軟な動きにとどまらず、大きな身体重心の移動を起こすことでもあります。
股関節がどれほど強いとしても、骨盤が動かなければその力は無駄になってしまいます。
体重の移動とその速さが破壊力
簡単な力学的知識を先に解説します。
運動量と運動エネルギー
運動を記述するものには運動エネルギーと運動量があります。
全く同じ運動を表現するにしても式が二つあるんです。
ややこしいですよね。
当然これらは式は形も違うんです。
同じ運動を記述するにしても、この二つは元は同じなんですが微妙に異なるんですよね。
そもそも存在はしていません、というか確認されてしていません。
エネルギーも運動量も人間が物理世界を記述する上で、「なんかこうすると上手くいく」という量です。
興味が湧いた方は調べてみてください。
ここからが本題です。
運動エネルギーも運動量も速度の大きさに比例して大きくなります。
速度が0だった場合、質量がどれだけ大きくても運動エネルギーと運動量の大きさは0になります。
で、速度はどうやって表すか。
小学校の算数を思い出すと速度を表すには時間と移動距離が必要でした。
速度を大きくするには時間当たりの移動距離を大きくする必要があります。
つまり、運動エネルギーも運動量も移動距離が強く影響するんです。
簡単な例だと車です。
地面から離した状態でどれだけアクセルを踏んでエンジンを回しても動きません。
その車に触れても何も起こりません。
燃料の無駄遣いですよね。
つまり、強靭な股関節を持っていたとしてもその力を使って体重を移動させられなければ、宝の持ち腐れになってしまうんです。
これがいわゆるコツとか言われる技術的な部分になります。
運動経験なんかが影響します。
時々僕が指導している方で、股関節は捻っている、曲げ伸ばししているんだけど、骨盤が動いていないって方がいます。
股関節の捻りや曲げ伸ばしに対して骨盤の移動量が小さい方もいます。
なので、股関節が使えるだけでなく骨盤の回転もできるようにしてみてください。
体重移動のやり方
「イメージは体重を動かす」です。
何度か記事にしていますが左軸の右ストレートなら右股関節から左股関節へしっかり体重を移します。
この時踵に体重を感じるようにしてください。
右軸の左フックなら左股関節から右股関節へ体重移動。
この時も体重は踵で受けます。
しっかりと右と左の体重の移動を意識してください。
まとめ
股関節を強化して、その力を使って骨盤を直接動かすイメージをしてください。
股関節を主導とした骨盤の並進や回転運動による体重移動が破壊的なパンチを生みます。
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