ヤバい少年を発見しました。
股関節主導の走り
ドルフ・ブレイズ・イングラム君7歳。
同世代のアメリカ記録を大幅短縮しました。
僕より走るの速いです。
7歳ですよ、この走り。
100mを13秒48。
イングラム君の走り方、特徴的です。
顎が上がっていて日本だと注意されそうな姿勢です。
でもこの走り、ボルトと似ています。
腸腰筋が強靭な骨盤”超”前傾型の骨格の人間が走るとこんな感じになるはずです。
以下で簡単に理由を解説しますが、骨盤超前傾のイングラム君やボルトは走るときはみぞおちが突き出して、みぞおちを何かに引っ張られているように見えます。
イングラム君はブンブン腕を振ってるのに忙しさはありません。
「速いのに忙しくない」。
僕が対戦相手を見たときの印象として恐れるものです。
忙しくない理由は、走る動作の細部を意識していないからだと思います。
イングラム君はただ「速く走ろう」と考えているだけで、腕を速く振ろうとか強く地面を蹴ろうという意識はないはずです。
僕はこれに気がつくのに時間がかかりました。
「細部に意識を向けなくても動ける」
そのためには体幹の強靭さが不可欠です。
以下簡単にその理由を説明しますが、強力な股関節伸展による背骨のしなりと慣性力により腕と脚が自然にフラれるから、細部を意識する必要がないと考察しています。
のけぞり
イングラム君は上体がのけぞるような姿勢になっています。
日本だと「顎を引け」とか「前重心にしろ」と注意されそうな姿勢です。
でももしそんな風に彼の姿勢を直してしまえば、きっと彼の才能は奪われてしまうだろうと僕は思いました。
走るときにみぞおちが突き出すのは腸腰筋が強い証拠です。
ボルトも同じようにみぞおちが突き出します。
以下で骨盤の前傾による簡単な腸腰筋とハムストリングスの連動を見ていきます。
腸腰筋はみぞおちから骨盤、脚の付け根にかけて付着しています。
脚を後ろに強く振り出す(地面を後ろに蹴る)と、脚の付け根が引っ張られて腸腰筋が引き伸ばされます。
腸腰筋が股関節側に引き寄せられるため、みぞおちが突き出して骨盤の前傾が深まります。
また腸腰筋が引き伸ばされるということは伸張反射が起こされるということです。
反射により腸腰筋が収縮すると今度は勝手に腿が前に振り出されます。
腸腰筋の伸張反射によって強力に前へ振り出された腿が腿の後ろに付いているハムストリングスを伸張します。
つまり今度はハムストリングスの伸張反射により脚が後ろに振り出されるということです。
同時に股関節伸展による前後の強い脚のしなりが骨盤を強く大く尾後貸すので背骨をしならせます。
そのしなりに連動して以下の記事で解説した肩甲骨が内外転が起こります。
その慣性力によって腕肩が自動的に強く前後に振られるというわけです。
骨盤の前傾角の深さが成す驚異的な身体の連動です。
腕も足もスピードに乗ると勝手に振られるので、意識せずとも自然と動くと思います。
少なくとも骨盤の前傾が浅い骨格よりは有利に連動するはずです。
顎引いた方がよくない?
顎が上がっていますよね。
この姿勢はボクシングでも見たことがある方も多いと思います。
フロイド・メイウェザー選手や井上尚弥選手も顎が上がります。
僕は顎が上がるのはスポーツにおいて常に悪いことではない、同時に無理やり顎を引かせることは本来の身体能力が低下させることだと考えています。
※競技力とは関係ありません。
股関節が強い選手にとって自然ではありませんが、顎を引いた方がいいことも当然あります。
今回は詳しくやりませんが、顎が上がることの僕なりの考察は別の機会にお話ししようと思います。
「非対称性緊張性頸反射」、「モロー反射」といった幼児期には誰しもが持っていた、頭部と頸部の角度に起因する原子反射とバランス保持の転倒防止本能「姿勢反射」が関係しています。
まとめ
繰り返しになるので今回はあっさりとお話ししましたが、骨盤の前傾に起因した股関節の強さが全身を自然に連動させます。
俗に運動神経がいいと言われる人は意識せずとも全身を連動させられるから、しなやかな動きが実現できると僕は考えています。
騙されたと思って、一日30秒でいいので以下のエクササイズをやってください。
僕は現役引退しましたが、股関節のエクササイズ、トレーニングだけはまだやっています。
目が治れば陸上競技やダンスに挑戦しようと思っているからです。
ボクシングで僕の考えを証明するのは頓挫してしまいましがが、他の競技を楽しみながらアマチュアで証明したいと考えています。
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