明日からでも実践できる極めて優良だと僕が感じるコツを共有します。
どうしてそうすると強く打てるのかも解説していきます。
まずは股関節周りの大きな筋群を使えることが前提になるので、初心者はまずは以下の練習をして体幹を使えるようになってください。
体幹の筋力を運動へ動員できることが前提となります。
大きくゆっくりと動いて全身の筋力を発揮する感覚を掴んだ次の段階のコツです。
加速させる
それでは簡単に解説していきます
とても簡単です。
『加速させる』。
ただそれだけです。
少し具体的に、パンチに限ってお話します。
まずはサンドバッグ打ちをイメージしてください。
これからサンドバッグを打ちます。
注意するのは打ちだしの瞬間にいきなり拳に速度を持たせないことです。
じわりじわり、ゆっくりと加速させてください。
徐々に力を発揮するイメージの方が分かりやすいかもしれません。
拳がだんだん加速してサンドバッグに衝突する瞬間にトップスピードに入る、または最大筋力を発揮するような意識をしてください。
当たる瞬間、ギリギリまでです。
繰り返しになりますが、最初から大きな加速度を与えようとしないでください。
まずは遅く、そしてじわりじわりと拳を加速させていく感じです。
文字にすると言葉にするとこんな感じです。
グーーーーーーン
字の大きさは拳の速度、または筋力の大きさだと思ってください。
最初は必ずジワーーーっと加速させてください。
慣れてくると筋力上げて素早く拳に速度を持たせることができます。
でも最初は焦らず、徐々に拳を加速さえるイメージです。
もし、拳を加速させるイメージが難しければ、少しづつ筋力を発揮して拳を押すイメージをしてください。
少しづつ力を入れます。
サンドバッグに拳が衝突する瞬間に筋力のピークに達するように意識します。
これだけでかなり強くパンチが打てるはずです。
続いてどうしてこのイメージで強く打てるかを解説します。
運動連鎖の側面
まずは身体の連動、運動連鎖の側面からです。
運動連鎖を簡単に説明すると地面反力を関節間で交換しながら、運動させる部位の質量を徐々に小さくしていき、また引き伸ばされた筋の連続した伸張反射によって加速させる原理のことです。
始めは身体全体の質量を動かしていた運動量を使って拳の質量だけを動かすので拳が加速します。
小さなボールと大きなボールを同じ力で投げたらどちらが加速しやすいかをイメージすれば分かりやすいと思います。
小さなボールの方が速く投げられますよね。
物体は同じ力で動かすなら小さな質量の方が速く動かせるからです。
もし最初から拳をトップスピードまで引き上げようとすると、上半身の運動量を拳へ伝えきる前に拳が動き出してしまい運動量が全身で分散してしまいます。
運動量を無駄なく拳へ伝えられなければ、どれだけ大きな地面反力を受けても拳の速度は出せません。
全身の運動量を拳へ伝える為に「少しづつ加速」させるイメージが大切になります。
地面反力の側面
次に地面反力の側面です。
物体を加速させるには大きな力を加えるか、長い時間力を加え続けるの両方があります。
力積の力と時間の関係性を簡略化してグラフにしたものです。
力積が大きくなると物体に与える運動量は大きくなります。
ピンク色の面積の大きさが力積でFが力の大きさ、tが力が加えられた時間です。
ピンク色の面積が力積の大きさです。
面積は縦×横なので、力の大きさか力を加える時間、またはその両方を増加させると力積は大きくなります。
つまり長い時間、地面反力を受け続けることで拳へ大きな速度を持たせることができます。
地面を蹴った瞬間に地面反力によって骨盤が回転します。
同時に骨盤に引っ張られて右足は浮いてしまいます。
しかし地面反力を受けられる時間はこれで終わりではありません。
実はここで力を拳へ伝えているのは蹴り脚だけではないんです。
軸足は地面と接地し続けるので地面から力を受け続けています。
かなりイメージしにくい話かもしれませんが、右脚から左脚への体重移動時は左の画像の黄色の矢印の方向に、地面から力を受け続けています。
もし最初から拳をトップスピードにいれようとすると、つま先立ちになってしまったりするので、軸足にうまく乗れず軸足からの地面反力を骨盤へ伝えきれません。
ブレーキ効果の記事でお話していますが、二つの物体の両端から逆向きの力を加えた場合、その力は合成(偶力)され、一つの回転力として振る舞います。
蹴り脚が骨盤へ加えた力と軸足から加えられる地面反力の合成された力、偶力によって骨盤が回転させれているということです。
いきなり拳にトップスピードを持たせようとすると、つま先立ちで接地しがちで、膝や足首など軸足の関節がグラついたり、上手く左脚にのることができず地面反力を上手く受けられません。
ゆっくり拳を加速させるイメージなら軸足がグラついたりせず、また骨盤が地面から力をしっかり受け続けることになるので力積を大きくできます。
脱力の側面
最後に脱力の側面からです。
体幹の筋群を使い慣れていないと、強い力を発揮しようとした瞬間に高確率で末端の肩や上腕から動き出そうてしてしまい力みます。
オレンジ力は拳を加速させようとする力、茶色の矢印は力みによる筋力です。
いきなり大きな速度を持たせようとすると動き出しを作りやすい肩や腕が力んでしまって発生させた地面反力に筋力が干渉し、逆向きに加速度(ブレーキ)を持たせようとします。
こんな感じです。
ハンマーをどれだけ振り回してもゴムの弾性力によってハンマーは引き寄せられます。
ゆっくり速度を持たせるイメージだと股関節から動きを作り出せるので、無駄な筋力の地面反力への干渉を防げます。
まとめ
パンチが遅い選手のパワーがあるイメージは実は間違っていません。
上手く運動量を拳へ伝えているといえるからです。
是非明日、騙されたと思ってやってみてください。
ポイントはサンドバッグに拳が当たる瞬間まで加速させて、衝突の瞬間にトップスピードに達するイメージで打つことです。
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