質問9
「着目すべきは、どのような個体の反復が有効なのか、有効な反復とはどのような形式か、という構造です。」
有効な反復とは、単なる「量」ではなく、「個体の特性」と「反復の形式」が適切に組み合わさったものです。
1. どのような個体の反復が有効か
有効な反復を可能にするのは、単なる意欲ではなく、学習と改善のプロセスを高速で回せる個体の特性です。
| 特性 | 機能 | 有効な反復への寄与 |
| A. 高いメタ認知能力 | 自身の思考、知識、行動を客観的に観察・評価できる能力。 | 漫然とした反復ではなく、「どこが間違っているか」、「何が足りないか」を正確に自己診断できる。これが修正の起点となる。 |
| B. エラー耐性と探求心 | 失敗を否定的な結果ではなく、**情報(フィードバック)**として捉える能力。 | 修正を恐れず、常に新しい方法やより良い方法を模索し続けられる(質の高い反復の原動力)。 |
| C. 高い集中力と回復力 | 長時間にわたり、改善点に意識を集中し続ける能力と、その疲労から素早く回復する能力。 | **反復の「質」**を確保しつつ、**必要な「量」**も担保できる。 |
要するに、有効な反復を行う個体とは、**「自律的に、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を高速で回せる個体」**です。
2. 有効な反復とはどのような形式か
有効な反復は、心理学で**「意図的な練習(Deliberate Practice)」**と呼ばれる形式を取ります。これは、単なる繰り返しではなく、「特定の構造」を持っています。
有効な反復の形式(Deliberate Practice)
① 明確な目標設定(Focus)
漫然と全体を練習するのではなく、**一度の反復で改善すべき「単一の小さなスキル」**に絞って目標を設定します。
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例: 全体演奏ではなく、「特定の3小節のリズム」のみに集中する。
② 厳密なフィードバック(Feedback)
実行の直後に、その試みが目標に対してどの程度成功したかを客観的かつ正確に知る必要があります。
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形式: 師やコーチからの指摘、または録画、スコアリング、データ解析などの客観的な指標を利用する。
③ 修正と挑戦(Modification)
フィードバックに基づき、次の反復では何をどう変えるかを意識的に決定し、現在の能力の限界をわずかに超える挑戦を行います。
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形式: 楽な反復ではなく、常に**「快適ゾーンを抜け出した状態」**で実行される。
④ 集中と努力(Effort)
このプロセス全体を通して、高い集中力を維持し、努力を伴う必要があります。これがなければ、単なる「質の低い反復」に逆戻りします。
「「快適(コンフォート)ゾーンの外」は、緊張によりホルモンが分泌され、脳が覚醒する感覚を覚えられる領域を指していると思う。」
着目すべき構造は、単なる「反復」ではなく、**「個体が持つ自己評価能力」と、「意図的でフィードバック駆動型の反復形式」が組み合わさった「学習のループ」**にあると言えます。
「反復練習≒フィードバックループ≒試行錯誤
バカのせいで途中の文脈が抜け落ちてしまっているが、同じ事の繰り返しではなくトライアル&エラーを繰り返すことが反復練習の文脈。」
「失敗を否定せず認める→失敗に対応する→改善」

コンフォートゾーン出ろ


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