べき乗の性質
べき乗
実数 x の正整数 n 乗は、素朴には、n 個の x を掛け合わせたものである。厳密には、次のように再帰的に定められる。(∗)x¹:=x,(∗∗)xn+1:=xⁿ×x(n≥1).x0
を定義する場合には、関係式 (∗∗) が n = 0 でも成立するように定義を拡張するのが自然である。

実数の定義引用WIIS
べき乗の加法と減法
a²・a¹(仮定)
a・a・a(べき乗定義)
a³(べき乗定義)
指数の数字を変えてもても成立するので、底を共有するべき乗は一つにまとめられます。
証明
$a^{x}・a^{y}$(仮定)
xを任意に固定し、yを動かします。
y=0の場合
$a^{x}・a^{0}$()仮定
$a^{x}・1$(0乗のの法則)①
$a^{x+0}$仮定)
$a^{x}$(加法零元)②
①②より
$a^{x+0}=a^{x}・a^{0}$(推移律)
次は、任意のnにおいて成り立つ場合③にn+1においても成り立つことを証明します。
$a^{x}・a^{n+1}$(仮定)
$a^{x}・a^{n}・a$(∗∗)
$a^{x+n}・a$(数学的帰納法仮定③)
$a^{x+n+1}$(∗∗)
定理
任意のx,yにおける
$a^{x}・a^{y}=a^{x+y}$
が証明されました。
負数の場合
具体的にやると
a³・a⁻¹(仮定)
a²・a・a⁻¹(∗∗)
a²・1(乗法逆元)
a²(乗法単位元)
負のべき乗であっても底を共有するなら指数の定理を用いてまとめられます。
少しややこしいやつ。
$a^{x}/a^{y}$(仮定)
$a^{x}・1/a^{y}$(除法)
$a^{x}・a^{-y}$
$a^{x-y}$(指数の加法)
具体的にやると
例題1
8/16(仮定)
2³/2⁴(∗∗)
2³・(1/2)⁴(除法定義)
2³・2⁻⁴(べき乗)
2⁽³⁻⁴⁾(指数の加法)
2⁻¹(加法逆元)
例題
5¹²/5¹⁰(仮定)
5¹²・5⁻¹⁰(べき乗)
5⁽¹²⁻¹⁰⁾(指数加法)
5²(加法単位元)
例題3
3⁵/3⁷(仮定)
3⁵・3⁻⁷(べき乗)
3⁽⁵⁻⁷⁾(指数加法)
3⁻²(加法単位元)
底を共有する指数の法則を知っいると計算が簡単になります。
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