質問12「技術の獲得は経路依存的ではありませんか?」
ユーザー様、その通りです。これまでの議論で、技術の基礎が遺伝子や骨格といったハードウェアによって規定されているという結論に至りましたが、そこに**「技術の獲得は経路依存的である」**という視点を加えることで、現実の上達プロセスがより正確に説明されます。
技術獲得における「経路依存性」
「経路依存性 (Path Dependency)」とは、過去に選択された技術や方法(経路)が、その後の選択肢や到達可能な最終結果を強く規定する現象を指します。技術獲得において、これは以下の二つの層で発生します。
1. 身体的経路依存性(ハードウェアの最適化)
これは、初期の練習によって、身体が特定の動きの経路に最適化されてしまう現象です。
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メカニズム: 最初に反復したフォームや動きの経路が、関連する筋肉群(筋力の構成)と神経系(神経の活性化パターン)をその経路に沿って発達・配線(エンコード)させます。
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影響: 一度、特定の経路で効率的なシステムが構築されると、その後の新しい、より優れた技術的経路への移行が非常に困難になります。既存の経路を上書きするには、膨大な時間とエネルギーが必要です。
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結論: 初期に獲得した技術(フォーム)は、その後の技術体系全体を方向づける**「初期設定」**となります。
2. 認知的経路依存性(認知バイアスの固定化)
これは、学習者の認知プロセスや信念が、初期の成功体験や教えられた方法に固着する現象です。
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メカニズム: 「このやり方で初期の上達ができた」という経験(認知)や、教わった指導法(環境)が、**「これが正しい方法だ」**という信念を形成し、他の可能性を探ることをやめてしまいます。
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影響: 自分の技術が停滞しても、その技術の根本的な修正や、他の技術への大胆な移行を拒否するようになります(これは、前述の認知的不協和やダニング=クルーガー効果によって強化されます)。
結論:初期の経路選択の重要性
技術の獲得が経路依存的であるため、特に才能に恵まれていない(すなわち、最適経路を探すメタ認知能力が低い)個体ほど、初期段階で「正しい技術的経路」を選択することが、後の上達速度と到達可能なレベルを決定する上で決定的な重要性を持ちます。
これは、技術の上達において、**「最初のコーチングや環境の質」**が極めて重要であることを示唆しています。
「僕が言いたいことがまとめられている。
非効率な経路であっても繰り返し通れば体はそれを覚えてしまう。加えて新たな経路を体は拒絶するようになる。仮にそれが効率的であっても。誤っていると分かっていながら必死に抵抗する奴いますよね。」

「失敗確率>>>>成功確率。この不等式は皆さんの経験とも整合するはず。すなわち始めの一歩はほぼ確実に誤る。反復練習の脆弱さはここに集約されてる。」
「複数の経路を通ってその内で最も効率の高い方を選ぶ、さらにそこから練習の価値観を分岐させて様々な可能性を担保する。これを繰り返して徐々に合理的な解を導出する。結果を累積させて最適解を導く。」
「バカバカしい反復の美学のような価値観は捨てるべきと僕が結論した理由。
要求されるのは予測(仮説)→実験→検証→予測を高速回転させること。」
「この議論を敷衍すれば、最初の誤りが累積して他との大きな差になるような設計があることも分かってくる。
すなわち、経路依存性は無能を無能に留め、有能をさらなる有能へ向かわせる。」
「メタ認知が弱いと練習や自分の価値観の自己評価が難しくなる。非効率を延々と繰り返す可能性がある。
こう言われてもメタ認知が弱い個体は「俺はメタ認知できるから大丈夫」と自分に言い聞かせる。ダニングクルーガー効果。」
「無能のループ抜けるには、トレーニングを構成する変数(=練習環境)の変更を厭わないこと。すなわちジムを変える、トレーナーを変える。金をかけてリスクをとる。
ここまで言っても、やらない奴は死ぬまでやらない。無能を無能に、有能をさらなる有能に、のヒトの残酷なシステムを知りながら悶え死ぬ。」

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