技術論との付き合い方その二

よもやま話トレーニング
技術論との付き合い方
YouTubeのボクシング解説系を見る時の注意。 帰納法と演繹法 要点が掴みやすいように具体的に説明します。 「強いボクサーの骨格には共通点がある(帰納法)」。 上の主観的な観察が事実であると仮定し、客観的な事実のみで裏付けを行う(演繹法)...

その一は最も遭遇確率が高い妖怪「根拠なしマン」についてでした。

しかし、こいつははっきりと雑魚。ラッタやスライム。「それってあなたの感想ですよね」でライフを0にできます。経験値にもできないレベル。

次は少し厄介な妖怪。知識コレクターです。

知識コレクター

知識コレクターは色んなことを知っています。「床反力」「運動量」「エネルギー」「SSC」などなど。

それは社会科の歴史の年号を完璧に覚えているようなもの。テストでは間違えない。

しかし、それが導かれた文脈は考えられていない。だから学んだ知識から演繹して、「現実では次に何が起こるか」の予測(≒因果関係の認識)はできない。

歴史を学ぶことが大切なのは、それが利益に変えられるから。歴史は韻を踏みます。現時点では割安に放置されている金融資産や仕事があっても、年号を覚えただけのガリ勉ではそれにアクセスできない。

現実を生きる為に歴史を学ぶ人とテストの為にそれを覚える人の違い。

知識や経験は、その規則性を原理原則へ落とし込み、未来の予測をして初めて価値を生みます。

「筋トレが大切らしい。じゃあ筋トレだ!」
知識コレクターはこれで終わり。
「まてまて、筋トレは殆の人がやる。十分条件ではないはずだ」
普通はこう。

「事故に遭った人は統計上は八割が朝食を食べていた。だから朝食を禁止しよう。」
言っていることは間違えてはいません。しかし、より俯瞰してみるなら、こいつはアホの極みでしょう。

往々にして知識コレクターがハマる罠です。

他人の言葉を脳内で反響させているけで、根本的な命題が抽出できていません。

エンジンに問題があるなら、タイヤを交換してもシートを交換してもアクセルをいくらでも踏んでも、そのエンジンの速度の限界は越えられません。

知識コレクターは言ってしまえば、エンジニアではなく、タイヤや速度計、シートのカタログに詳しいだけのオタクです。

車の修理においてはすこしも役に立ちません。

真にマシンの性能を改善しようと思うなら、エンジンとそれに付随する設備を交換するする必要があります。

もっと言うなら「エンジンとは何か?」という根本的な命題について、手探りで探す必要があります。

マシンの個々のパーツに詳しいだけのオタクに車をいじらせたら高確率でマシンは壊されます。

ボクシングは違いますか?考えてみてください。

真のエンジニアは、個々のパーツとそれらの相互作用を理解しているから、エンジン音などから故障箇所の的確な推論が行えます。

あるいは複雑な相互作用を理解しているから、「これが正解だ!」と宣言するのには慎重になる。

体系化

「床を強く踏めること」「関節間のブレーキ効果を起こすこと」「大胸筋がパンチへの関与が大きいこと」「腸腰筋が運動への関与が大きいこと」「肩甲骨平面」「脱力」「運動連鎖」などなど。

これらを個々に暗記できさえすれば筆記試験では合格できます。

しかし、それはただの知識コレクターです。現実おいては役に立たないどころか、むしろ現実<知識の構図に陥り、害悪を撒き散らす傾向にすらあると思います。

知識コレクターの言うことは確かに真実でしょう。しかし、個別にアプローチしていては一生では足りない。そして下手にいじるとシステムの調和が壊れる。

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個々の知識を繋げて体系化できなければ、ボクサーの仕事は増えるばかり。知識コレクターの言う通りにしていたら、上手くなる前に死にます。

もちろん、安心の代替物としての免罪符を売っている、という側面は否定しません。免罪符を買って安心したい奴隷は買えばいい。

第一原理 (First Principles) とは、物事を根本的な要素や原理にまで分解し、そこから考え直す思考法のことです。既存の知識や前提に囚われず、本質的な真理に基づいて問題を解決しようとするアプローチです。

引用グーグルAI

左フックと全体と部分
パンチと攻撃と防御 相手の反撃に対応できることを前提にパンチすると、本能による自動システムはその為の体のバランスを保ちます。 バランスが崩れないのでブレーキ効果による体幹と腕の運動量の交換が効率化し拳の加速度が高まります。「打たせないぞ」と...

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この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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