


上のアフマダリエフとバレロに共通して見られる規則性と、その説明は同値になっていると感じませんか。
技術の実体
バレラの踏み込み
バレロの体を推進する時の姿勢はアフマダリエフと似ています。
相手の射程から頭を遠ざけて、足から近づいていきます。そして、攻撃時だけリスクをとり、右大腰筋を収縮させて上半身を中心から前へ移動させ、攻撃の距離を稼ぎます。
奥足に乗り込み、投擲時の踏み込みの要領で股関節を開き、体を推進。体重が右に集中するのでハムケツが強く動くのに加えて、下に示したように構造的な推進力がありす。
かつ頭が相手射程から遠いのでディフェンスを担保できます。

打ち終わりは再び左大腰筋を収縮させて安全な位置へ。
アフマダリエフもバレロもスタイルの大枠はこれ。
構造的な推進力が高い上に、単純故にミスが減らせ増す。

同様の形がボクシングの一流に頻繁に見られるのは、恐らくは、この形が人体という前提から導出される最適解だからでしょう。
種族の異なる鳥とコウモリ、サメとシャチが、同じ環境化では同じ形に収斂するのと同様。
カネロの振り子歩き
カネロの振り子歩きもバレロ、アフマダリエフと大枠の構成は同じです。
守りを担保しながら攻撃時だけリスクをとる。攻撃を完了したら即座に守りの態勢へ移る。
シンプル故にミスをしない。だから勝ち続けられる。

タイソンのヘッドムーブメント
タイソンのヘッドムーブも抽象的に見ればカネロやバレロ、アフマダリエフらと同じ。

さらに既述の論理を抽象するなら、所謂「攻防一体」は彼らの打法、ないしはスタイルが包含する可能性であると言い換えられます。
対偶を取るなら、彼らのボクシングの実体だと考えられる腸腰筋が弱い場合は攻防一体は実現できないと言い換えられます。
また、細部を捨像して拡大解釈して言うなら、バレロとタイソン両者のスタイルは細部が異なるだけで、両者共に、いずれのスタイルの可能性も包含”は”していたと考えられます。
両者の指導者や国、生まれた時代など、様々な偶然の要素が複雑に絡み合った結果、別々の形として顕在化だけで、形而上は同じ実体だろうと。
恐らく、偶然の悪戯でたまたまタイソンやバレロのようにはなれなかったが、彼らと同様の能力を持っていた人は沢山居ただろと思います。
あなたも、もしかしたらバレロやタイソンの可能性を持っているかも知れません。これは忘れて安易に他人と同化しないでください。特にあなたが若いのなら、自分の可能性を信じる勇気を持ってください。

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