肩甲骨外転前傾ロック
肩甲骨の外転前傾が弱い場合は、上腕がの広背筋による張力を受けなくなります。従って構造的に上腕の内旋が弱くなります。
すなわちGGGのように胸が閉じ、背中が覆い被さるように見える、厚みのある体になりません。
女性のようなペタッとした、厚みのない体になります。
この場合はロシアンフックが構造的に起こりにくい、ないしは起こらないと考えられます。
以上が妥当な推論だとした場合、ロシアンスタイルの打法はエリートを選別する篩になっていると考えられます。
橈骨のソケットでパンチの衝撃を受け止められるロシアンフックが技術的に強い、という面はあるでしょうが、それよりはむしろ、ロシアンフックが可能な、すなわちパンチ力を生み出す前提を与えられたボクサーだけを選別しているからロシア人はやたらとパンチが強い、と言うのが妥当に感じます。
ベテルビエフやGGGは、ロシア以外に生まれ、ロシアンスタイル以外に取り組んだとしても圧倒的なチャンピオンになったはず。
また、ロシアンスタイルでなくても破壊的なパンチのボクサーは五万といます。
この推論を妥当だと仮定するなら、加えてこの論理を抽象するのなら、競技力を導く実体を備えていないのなら、見様見真似で反復しても効果は薄いだろうと言い換えられます。
ロシアンフックを本格的に習得するのなら、まずは、それを導く筋肉を鍛えること。それは前鋸筋小胸筋腸腰筋。
以下に僕が試行錯誤して効果があると認めたものを載せました。参考にしてください。




後は認知を書き換えることも必要です。肩甲骨が強くロックされるようになったら「ラリアット」の動作でパンチ。
ただし、繰り返しますが”肩甲骨が強くロックできるなら”、です。
「自分は強い」というダイニングクルーガーバイアスによる思い込みと、成長を急ごうとする悪癖には気を付けてください。非合理を積み重ねさせます。
「完璧はないことを理解し、完璧を目指す」こと。
僕の経験上において、自分の足を最も引っ張っていると感じるのは、自分自身の傲慢さと完璧さへの依存心です。
勇気をくれ、また物事を深く考えさせてくれる反面、うまく付き合わなければ、人生を破壊します。
まずは地道に筋トレ。そして”高純度の”手打ちラリアット。早ければ数分でコツは掴めます。
しかし、ゴールはありません。まだその先があります。ひたすら洗練させてください。

股関節ロック
股関節ロックができない場合は、脚がつっかえ棒の役割を果たさずに頭が突っ込んで大きな体重移動が起こり、肩甲骨平面内での二軸による腕の加速に加えて、体幹と腕の運動量の効率的な交換が起こせなくなるので、パンチの勢いに繋がりません。
従って強いロシアンフックは打てません。
この場合は股関節を鍛えてください。

肩甲骨平面内で加速させるなら、パンチを打つ時に、自然体でビシッと脚が伸ばされる必要があります。


二軸

大腰筋収縮による二軸と肩甲骨平面内での打撃
股関節がロックできる場合に打点を実現するのは大腰筋の収縮です。肩の可動域で打点を実現するのではありません。しかし、そうなるボクサーが大半です。これもダニングクルーガーバイアスに注意し、妥協なく高みを目指してください。

股関節ロック

ガード腕の内旋

パンチは肩甲骨平面内で起こす



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