対象を見る視点を変える

よもやま話トレーニング
カウンターの練習【長岡嶺】

コペルニクス的転回

高速手打ち(攻撃)ができるから、即座に次の手へ移行できる。すなわちカウンターやディフェンスができる。

ディフェンスやカウンターが苦手だと感じるなら、その技術自体にできない原因を求めるのではなく、少し視野を高く、あるいは遠くしてみて、別の視点からその問題に解釈を与えられないか、と考えてみてください。きっと、見落としていたヒントが見つかるはずです。

より抽象的に考えるなら、理想とする技術やスタイルが実現されない理由を探す場合に、「技術」と認識される空間の外に、それを解決する可能性を見出す努力をするということ。

例えばスピードやパワーがない原因をあなたの身体的な特徴に、すなわち筋肉や才能に求めるのではなく、その視野を広げて、「速い(強い)技術」について考えてみるということです。

速さや強さを生み出すのは、所謂筋肉だけではありません。視野を広げてみると、火事場の馬鹿力や闘争・逃走反応という視点が得られます。
集中力を司るホルモンや眼球の使い方に原因を求めるのであれば、あなたが上手くいかない理由の上手い説明が得られるかもしれません。
睡眠や栄養は足りていますか?あるいは「集中」という概念を聞いたことがあるだけで実際に体験したことがないのでは?集中しているとは、つまりどういうこと?没頭した経験は?子供達はどんな風に物事を覚える?動物は?

瞑想なのどの脳波の差に、その問題を解決するヒントがあるかもしれません。

【自動システム】フロー状態の長濱説とその入り口【凝視】
ネットを徘徊していたらたまたま見つけました。凝視による自動制御の説明に近いです。「フロー」というのだそう。 フロー状態へ入るには言語を排除する 完全な主観的体験 上のTwitterの意味を理解するには、僕が「意識」についてどう考えているのか...

あなたの練習環境、家庭環境、職場環境が、ボクシングが上手くいかない原因である可能性も否定できません。

環境を変えたらすぐに結果が現れた、という話は聞いたことがあるはずです。

本能はコストとリスクを認知できなくする

ヒトは簡単な物語で現実を解釈しようとします。

難しい問題を解こうとすることは、大きなコストとリスクを伴うからです。それを避けようと、本能は短絡的な論理を好みます。魔女狩りやホロコーストなどの差別や陰謀論は、この性質が導く悲劇の雛形てす。

現象は様々な要素の絡み合いで起こります。一つの要素だけでは説明できません。今あなたが向き合っている問題は、その視点を少し変えてみるだけで、その形が変化するかもしれせん。

視点の転回ができず、「こうあるべき」に囚われてしまうのが所謂バカです。

Follow the white rabbit. マトリックスを抜けだす合言葉
タイトルはマトリックスに込められたメッセージ。僕は10代はマトリックスに込められた意味ではなく、SF作品としての仮想現実って世界観に憑りつかれました。30代になるとまた違った解釈になります。 ジブリと同じで子供の頃とはまた違った解釈ができて...
認識の罠 そのニ
非完璧主義者はこの記事の内容なんて気にしないし、信用なんてしないはずです。非完璧主義を完璧にやろうしないから、つまりそれを認識しないから非完璧主義者なんです。 完璧主義者が脱完璧主義を目指して上の記事を実践することは完璧主義です。矛盾します...

誰かの言葉をきっかけに、対象を見る視点が変化し、その瞬間に大発見をした、という発明家や芸術家、企業家の話をあなたは聞いたことがあると思います。

仏教哲学なら「執着(≒煩悩≒認知バイアス)を捨てろ」です。ブッダは視点を変えて解釈してみろ、と信者に解きました。

イエスはユダヤ人だけの宗教を、全人類に解放しました。それが当たり前の僕達には、何が凄いのかを理解することは難しいですが、当時としては誰も思いつけないような視点の転回だったのです。

今では当たり前となっている、ダーウィンの新たな視点の発見もそう。世界を見る新たな視点は、世界を作り変えました。

今の科学を根底から崩壊させるような視点があったらどうしますか。ダーウィンがやったようなことを、明日やる人が現れない保証はありません。その時に僕達はようやく、宗教をやっていたことに気が付きます。

それくらい、ヒトの認識では現実を正しく捉えることが困難です。

また、一面的な視点に固執すると、終着点は根性論だけです。

コペルニクス的転回
発想を根本的に変えることによって、ものごとの新しい局面を切り開くことのたとえ。 [由来] 一八~一九世紀のドイツの哲学者、カントの「純粋理性批判」第二版の序文から。 自身の哲学がものごとのとらえ方を逆転させたことを、コペルニクスが天動説を捨てて地動説を唱えたことにたとえています。

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関係によって存在が定義される = 縁起
前回の動画の続きが昨日アップロードされていました。見てみたら僕の考えと似ている、というか同じでした。 関係により存在が生じる 縁起 上の動画では人の記憶を説明しています。記憶は細胞単体に記憶されているのではなく、細胞と細胞の関係によって定義...
左フックと全体と部分
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全体を全体として感じる
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手打ち打法
久しぶりに手打ちの話。 手打ち打法 「手打ち打法」は、伝統的な腰を回し、腕を体で引っ張って加速させる「引っ張り打法」と対比する為の名称です。 簡単に手打ちのメカニズムの仮説を説明します。 自動システム あなたは、食事中にお箸の動きを意識しな...
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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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