実戦や本番で力を出すためマインドセット

プライベートメンタル

下のような質問を頂きました。
僕の乏しい経験がどれほど参考になるか分かりませんが、僕の私生活の勝負事や人間関係、仕事における考え方を共有させていただきます。

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上手くやろうとせずスモールステップ

僕の考え方をお話する前に、その前提となる理屈をお話します。
人の恐怖や不安について。

原始的な恐怖と不安

人類は進化生物学的にはつい最近まで野生で暮らしていました。
その世界では怪我や群からの逸脱といったことは高確率で死を意味するので、不確実な行動や他人と違う行動、目立つ行為を抑制する遺伝子がその保存において、有利に働きました。
現代でも生物学的にはその時の人類と大差はありません。

僕達は原始時代と同じ遺伝子によって感情がコントロールされていて、だからこそ人類は不確実性、つまり未知のことへ挑戦や他人と異なる行動をとろうとした場合、死と隣り合わせであるかのような猛烈な不安と恐怖を覚えるわけです。原始時代なら妥当な判断ですが、現代には不釣り合いな感情です。
僕達が新たな挑戦や他人と異なる行動をとることに対して抱く不安と恐怖は、現代では幻想なんです。僕はそう考えて、理性によって恐怖を抑え込んでいます。

スモールステップ

焦り癖克服の具体的方法としては「スモールステップを繰り返す」こと。

焦り癖の多くは最初のステップのイメージが大きすぎることに起因すると考えています。

例えば「世界チャンピオンになる!」と考えていきなり「アメリカへ行くぞ!」はストレス≒不確実性が大きすぎて躊躇しますよね。
ステップを踏むまでに時間がかかてしまい焦ります。
では「近所のジムで体験入会をする」ならどうでしょう。
世界王者へのスモールステップです。
ストレスが小さいので焦りが起こる前に行動できそうではないですか?

体験入会の次は、少し離れたジムへ行く。
その次は東京の少し小さいジム、その次は大手ジム。
小さなステップなら心への負担を抑え、夢へ着実に近づけそうな気がしませんか?

習慣化も同じでいきなり「5km走ろう」ではストレスが大きすぎてやる気が起こりません。
でも「2km散歩しよう」なら始めるストレスが小さい。
結局外へ出てしまうと「少しだけ走ってみよう」となって、「結果的に目標以上の3km走ってた」なんてことは当たり前に起こります。経験ある方は多いはず。それがあなたや僕の潜在能力です。
人間のポテンシャルってこうなんです。始めるのは大変なんだけど、始めてしまえば”想像以上”の力を発揮してくれます。
自らのポテンシャルを解放するコツはスモールステップを繰り返すこと。
気が付けば想像もできなかった大きな力を発揮しステップは大きくなっています。

僕は新たしいことへの挑戦はスモールステップで必ず助走の局面を作ります。
最もストレスが少ないことを実践し、体を慣らしていく為です。
気が付けば勢いがついてステップはどうせ大きくなっていきますから、最初にの一歩の大きさなんて気にする必要はありません。
助走を取ってから速度を上げ、勢いがついたら後は自動制御が効いてきます。

ボクシングの実戦で考えると。
いきなり右の強打を狙うのはストレスですね。僕でも嫌です。
だからまずは「フェイント」次は「ジャブでガードを触る」今度は「フックでガードを触る」。
この時点で無心になって戦えているはずです。
とにかく、簡単なことから始めればいいんです。
リズム(勢い)がつけば、体はその帳尻合わせるために勝手に走りだして自動制御されます。

商談やデートでいきなり本題は不安になります。
「暑いね~」でいいんですよ最初は。
天気の話できっかけを掴んだら、「仕事orプライベートどう?」です。
次は服の着こなし、髪型、その場所の雰囲気を褒めて懐へ入ります。
この頃には話は弾んでいるはずで、距離が近くなっています。
後はタイミングを見計らって本題へ移り、ガツンと決めます。
手順を踏めば僕の経験上、勝手に身体が動いて、自分でも驚くほど流暢に話してくれます。車の運転と同じで目的達成の為に必要なことはみんな本当は分かっています。客観(言葉)に従うから狂っていきます。無心の欲求を先行させ、理性にこれを追いかけさせます。フローが全てを解決してくれす。

目標への一歩を踏み出すなら、あなたにとって最もストレスの小さい方法を選んで、それを続けてください。心は埋没させた費用を取り戻そうと本能的に行動を開始します。
勢いがつけば後は自動制御で加速していくはずです。

あえて上手くやろうとしない

既述の通り人は原始的な恐怖や不安を引きずっています。
それは行動は常に完璧でなければならないという強迫観念です。

原始時代はかすり傷が感染症へつながるような、走り一つをとっても完璧さが要求される世界なので当然と言えば当然の感情です。

しかし現代ではどうでしょうか。
失敗が死に繋がる確率は極めて低いですよ。

現代は原始時代ほど上手くやる必要なんてないってことです。
50%でも達成できれば上出来なんです。
「50%」を目標にスタートしてください。仮に努力に対する成果が1%でも自分を責める必要はありません。
死なないのだから。その経験は次の糧です。空振り三振だったとしてもバッターボックスには立ち、飛んでくる球を見て逃げずに打とうとはしたのだから。

僕は投資やブログとyoutubeを含めたSNSの収益、フリーのトレーナーとしてなど個人の事業での収入があります。
仕事量とその単価、働く時間を全て自分で管理できるので、普通の会社勤めの方と比較して遥かに自由な生き方をさせていただいていると自覚しています。

ただ、自営業を始めようと決意した当初は自己責任という点に娘もいることもあって大きな不安がありました。
しかし幸いなことに、僕はこの不安が幻想であることを知ってもいました。
「上手くやる必要なんてないし、失敗したらバイトでもなんでも、別の方法を選べばいい、怒られたら誠心誠意謝るしかない」、そんな風に自分へ言い聞かせてスタートさせました。バッターボックスに立つこと自体にに価値があると。

会社員経験は平仲ジムを含めても合計して1年数ヶ月程度しかありません。
商売のやり方も業務の進め方もほとんど知らない僕は、全て我流で、分からない時は自治体や父親、知人など仲間の力を借りて自分なりのやり方を構築していきました。失敗したり迷惑をかけたら全力で謝るつもりで。

僕程度の経験と知識、専門性でもやれるのですから、世の中には経営者やフリーランスとして高額を稼げる能力がありながら、原始的な不安に悩まされて挑戦できずにいる方は多いと思うのです。

それは「上手くやらなければならない」という強迫観念です。
完璧にやる必要なんてありません。
50%、下手したら30%スタートでもいいはず。
そこから改善を繰り返せばいいのですから。

そのためにもまずは小さく始めること。

ボクシングも同じですね。
100%なんて目指す必要はありません。
ラウンド中は相手よりジャブを一発だけ多く当てることに集中して、その次のラウンドはそれより少しだけ上手くやればいいんです。
しつこいようですが、ボクシングに限らず挑戦に対する不安や恐怖は幻想です。相手にしてはいけません。無視するコツはスモールステップで勢いをつけること。

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Die Hard – ダイ・ハード
この記事を書いた人

第41第東洋太平洋(OPBF)ウェルター級王者
元WBC世界同級34位
元WBO-AP同級3位
元角海老宝石ジム所属

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