『知は力なり』とは
実験を通して知識を蓄えることで、いつか自然そのものを支配できる
という意味です。
実験とは「検証や経験」のことを言います。
この言葉を残した哲学者フランシス・ベーコンは知識だけではだめで、実際にそれを実践して初めて力になると説明しています。
僕は天才ボクサーではありません。
だけど『知は力なり』を本気で、自分ではどうしようもできないほど信じています。
僕の信仰です。
このページでは僕が大量に読んで勉強した本の内、特に参考になった本を掲載していきます。
天才ではない人にこそ読んでほしいと思います。
脳の仕組み関連
僕は本番で練習の力が出せないことに悩みました。
今でもメンタルが強いとは言えません。
だけど、前よりは強くなったと断言します。
脳科学を学ぶことは本番に弱いとか恐怖、怠惰とか不安に押しつぶされそうになる方におすすめです。
メンタルが強いのは生まれつきなんかでは決してありません。
正しい習慣と信念で鬼のメンタルは身につけられます。
以下の本は小手先のテクニックを教える本ではありません。
僕は本質を理解しない小手先のテクニックではメンタルの強さは手に入れられないことを何度も失敗を重ねて経験しています。
脳の複雑に見えて実はシンプルな働きを理解すれば、それを利用することができます。
どんなに才能や技術があってもメンタルが弱いと誰にも見向きされません。
デカルトの誤り
脳神経学者アントニオ・ダマシオ先生の本です。
目から鱗が落ちました。
脳は怖いと考えるから怖いと感じるわけじゃありません。
怖いと感じるから、その理由を一生懸命正当化しようとして思考をするんです。
「刺激→生体反応→感情→思考」という感情が思考を呼び覚ますという一見すると、直感に反するこの流れが合理的であると認めざるをえなくなります。
弱い感情が弱い思考を呼ぶます。
感情は意思では直接支配することはできません。
でも間接的にであれば支配できます。
そして感情を支配できれば脳の思考能力を最大限発揮することができるようになります。
こうすればメンタルを強くできるという方法は教えてくれませんが、本質を教えてくれます。
ダマシオ先生は沢山の本を書いています。
僕は沢山のメンタルトレーニングのヒントを得ました。
インナーゲーム
メンタルと集中力に関する内容ですが、とても分かりやすい上に僕の大きな間違いに気がつかせてくれました。
本番で力を出す、練習中の集中力を高めるなど、あらゆる面で大きな影響を受けました。
もう、メンタル関連についてはこの一冊でいいとすら思えます。
選択の科学
脳の思考をシンプルに分解し「自動システム」「熟慮システム」に分類しています。
短期的な戦略(感情)である「自動システム」を封じ込め長期的な戦略(思考)である「熟慮システム」を呼び出すことの合理性とその方法を簡単に学ぶことができます。
例えば選択肢を極力減らすことで「自動システム(感情)」が呼び起こされるのを防ぐことができるといった方法を知りました。
試合でもそうです。
選択肢を減らすことで合理的な動きを引き出せます。
野木 丈司トレーナー関連書籍
僕の師匠でもある野木トレーナー関連書籍です。
ボクシングを考えること、トレーニングを考えることに興味を持てると思います。
まずは読んでほしいと思います。
僕のボクシングの原点です。
力学
力学は身の回りの現象を理解し説明するということにおいて最も正確な方法です。
学問なので、大学で学ぶ内容です。
正直にと言ってしまえば、僕は何度も挫折しかけました。
本当にトンデモない忍耐力を要しますが、天才ではない僕は天才を超える為に覚悟を決めて取り組んでいます。
『こうやるとパンチが強くなる、速くなる』っていうコツってありますよね。
それをきちんと理論化できれば、その技術を強化する方法も考えることができますし、自分の技術に対して信頼が持てるので迷いがなくなります。
迷いがなくなると技術的な後戻りがなります。
小さくても前進あるのみです。
技術的に前進したかと思えば、余計な技術(動作)を取り入れて後退して、元の位置に戻っている。
僕は過言なく何百回と経験しています。
「この失敗を半減させることができれば…」と考えて、大変だけど自分のボクシングを理論化しようという結論に行き着きました。
コツコツ前進を続ければウサギが足踏みをする間に抜き去ります。
僕は自分技術を理論化して少しづつですが、その長所と短所を把握できるようになりました。
どうやって長所を磨くか、短所を補うかも考えられるようになってきています。
感覚で走り抜けるのも間違ってはいないと思います。
でも、地図はあった方がいい。
先天的に恵まれた特性を持ちながら、見当違いの明後日の方向に世界最速ぶっちぎりのダッシュを決めているかもしれませんよ。
脅しでもなんでもなく僕は本気で言っています。
力学でひも解く格闘技
数学は使わず具体例を使って分かりやすく説明されているのでバイオメカニクスについての入門にピッタリだと思います。
YouTubeで教えてもらって最近呼んでみましたが、僕が『ブレーキ効果』と呼んでいる現象やスピードとパワーの両立に関する話も登場しています。
バイオメカニクス
僕のボクシングを考える時のベースです。
どうやって速く動くのか。
どうやって強く動くのか
新しい動きやトレーナーのいうことが正しいか判断を行う時の物差しとなります。
内容的には力学を理解していないと確実に挫折します。
読み始めはチンプンカンプンでした。
でも、やりたくないこと嫌なことの先にボクシングの神様は必ず大きな喜びを用意してくれています。
トップアスリートの動きは何が違うのか: スポーツ科学でわかる一流選手の秘密
なぜしなりが重要なのか。
その理由は何故か。
なぜ感覚なのか。
とても勉強になる本ですが「コリオリ」など力学の用語が出てくるので、前提とした知識を持っていないとかなり難しいと言えます。
表紙に騙されて本当に軽い気持ちで購入しちゃうと本棚の肥やしになってしまいます(経験談)。
大学生のための力学入門
バイオメカニクスで出てくる力学知識が分からない時、考え方を復習したい時に辞書的に使っています。
力学書なので簡単な具体例はありません。
時間微分、時間積分などめまいが起きそうな方法で数学的に現象を説明していきます。
本当に吐き気がするほど難しいです。
「なんで地球の軌道から太陽の質量を求めなきゃならないんだ?計りにのせろよ」と錯乱してしまうほどです。
数学や物理に尋常ならざる興味がなければ絶対に読み進められません。
ボクシングが強くなりたい人が読む本ではありませんが、僕みたいに狂気をもってボクシングに取り組んでいる方におすすめです。
解剖学
石井直方先生関連書籍
筋肉教授である石井先生の本です。
僕は最初この本から学び始めました。
筋肉の仕組みを初めて学ぶのに本にぴったりかもしれません。
この本をきっかけにどん欲に知識を集めるようになりました。
トレーニングにはプラスだけでなくマイナスも確実にあります。
戦略
孫氏の兵法
とても分かりやすい翻訳と絵と具体例によって孫氏の兵法が紹介されています。
そのまま実行する、のではなくその兵法の背後の文脈を読み取り自分なりに実践することが大切になります。
